微分方程式入門とありますが，
実は制御理論の入門として書かれた本ではないでしょうか.
かなり広い範囲に渡って議論されており，概論な本としてはよさげです．

ただし，これくらいのレベルの議論をしたいなら，
素直に英語の文献を読んだほうがいい気がします.
日本語の表現力の限界にぶち当たっていて，わかりにくい表現になってしまっています.
必要な条件の記述漏れもあったりします．

さらっと流して概論的に勉強するにはよいですが，
この本で真面目に勉強するのはあまりおすすめしません．

驚くほど薄いにもかかわらず豊富な内容が盛られいる。
演習問題も単なる演習の為の問題でなく将来を見据えた目配り
がなされている。
しかし薄くて内容が濃いということは、それだけ読み手の
力量を必要とする。したがって初学者には薦めづらい。


定数係数連立系のセクションに変数系の
演習問題が入っていたり、非自励系のLiouvilleの定理が
が黙って使われたり（しかも自励系の場合ですら登場は次の章！）
と「お茶目な」部分もあるが
数学書とはこんなものだろう。