新旧のスタイルが結合した温故知新なアルバム!
★★★★★
それ以前に見られた深刻なタッチの楽曲を一掃し、中山千夏らとチャートや売上高にもこだわらないAfter You レーベルなるものを立ち上げ、Tropical Shower モード満載の年次休暇風アルバム『Every Night』を発表した陽水氏であったが、実際にセールス記録が過去最低のものとなってしまうと、気を引き締めないわけにもいかなかったのだろう、そのせいか今回は詞作は遊んでいても楽曲は深刻なタッチのものが復活している。また、シングルのリリースにあたってもそうとう練りに練ったに違いない。この当時未だ『心もよう』的な新曲を求めてくるファンへの要求受け入れと本人のよりシュールな詩作の創作と楽曲アレンジの希求が見事に融合したM1は、後の『いっそセレナーデ』で頂点を極める氏のシュールアダルト路線の始点を築くことになる。また、イントロはBeatlesの『Do You Want To Know A Secret』風に聞こえなくもなくて面白い。第2弾シングルで、阿木燿子の詞作によるM3は、一歩間違えると森進一歌謡だが、このぎりぎりのあたりでそれと一線を画しているところがこの人のすばらしさの一つなのだろう。しかし、このアルバムの一番の聞き所は、なんといってもM4と8である。彼の求める楽曲の具現化を見事にバナナこと川島裕二氏がつとめているが、特に後者は新生井上陽水氏の到来と言えよう。当時私はここまでやり、ここまで進化したかと涙が出るほど感極まった。M5もM4の効果からか、超アコースティックアレンジなのに妙に金属的に聞こえてしまうから不思議だ。さらに、くせのあるネタを食べた後のあがりの役目を果たしているのが、M6と9、そして水谷豊へ提供した松本隆 詞作のM10だろう。これらのメロディアスなタッチの楽曲が収録されているおかげで、一度離れた古いファンの一部にこのアルバムを購入させたことに成功したのかもしれない。個人的には最初M10はいらないなと思ったが、聞き続けると元々AORが嫌いでない私は、どことなくこのChicagoの『If You leave Me Now』をテンポアップしたようなサウンドにいつしか心地よさを感じるようになっていた。そしてアルバムの締めくくりは、Paulの『Warm And Beautiful』風に幕を閉じる。
わからんム!陽水ワールド炸裂♪♪
★★★★★
ジェラシー:もう文句なしに好きでたまらない曲(><)!!艶やかな色気のある夜の歌が好きだから!
My House:「わからんム!」私もわからない^_^;わからないけどエキセントリックな歌詞がたまらなくいい!
星空へHappy Game:爽やかだけど陽水さんらしさが随所に出ていて好きですw
天使in マガジン:アレンジも歌唱もカッコイイ!
Yellow Night:不思議な曲なんだけど、なんとなく官能的でsexyな雰囲気が漂っていて好き♪
夏ドライブで聴きたい!
★★★★★
1曲目の「ジェラシー」は大人の曲で私はニガテ。
夏、海へ行く途中とかに聴きたいアルバム。
陽水の透明な声が涼しくひびく。意味不明?だけど爽やかな歌詞。
陽水のほかのアルバムとちょっと感じが違うので、別物として聴いてます。
profile Number 14
★★★★★
<プロフィール>独自の世界持つシンガーソングライター
<ジャンル>シティーポップス、ポップロック
<ボーカル特性>ベルベットボイス
<作曲能力、センス>★★★★★
<ミュージシャンシップ>★★★★
<アレンジ、リズム構成>★★★
<得意技>言葉遊び
おそらくなんでもできてしまうシンガー。なので才能をいかに時代にあわせるかが売れるか売れないかのポイント。上手にメディア露出するとブレイクする人物
アレンジが古過ぎ、マテリアルが全体で弱い。
美しいメロディー
商魂はあまり強くないらしいのでほぼない<総合評価>本来ジェリーラファティーみたいな人材。リリシズムがすばらしい。日本的な湿っぽさをうまくつかいこなす人物。かなり計算している知性派。こういう人材の受け皿がない日本は本当につらい。メディアを征するものが売り上げを征するみたいである。売れ線なんてすぐに書けてしまう器用な人物。器用すぎるところが弱点か。
10点中6点
My House
★★★★☆
冒頭はおなじみのシングル曲だが、(1)(2)(3)とたたみかけてきて(4)ではもう突き抜けてしまうかんじ。〝スニーカーダンサー〟をシュールというのならば、本作では更にいっちゃってるようなテンションの高さが心地よい。(5)や(8)といったところは、耳に残るというよりまとわりついてくる不思議な曲。でも悪くない。(9)(10)みたいなふつうに〝いい曲〟が、ふつうすぎてお茶漬けみたいに感じられるほど。