インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
   世の中には小説の書き方に関する本があふれている。そういった本の読者の大半は、小説を書きたい、あわよくば小説家になりたい人だろう。しかし、本書の「少し長いまえがき」の中で、高橋源一郎は早々に断言する。「わたしの知っている限り、『小説教室』や「小説の書き方」を読んで小説家になった人はひとりもいません」。なぜか。「小説家は、小説の書き方を、ひとりで見つけるしかない」からだそうだ。

   しかし、著者は小説家志望者の夢を打ち砕こうとしているわけではない。この本は、標題どおり「1億3000万人のための」小説教室なのだ。「小説を書く」という作業の前に、「小説の書き方をひとりで見つける」方法を手とり足とり、教えてくれる。

   小説は「つかまえる」ものであること。小説と「遊ぶ」こと。まねることから始めること。小説の世界に深く入ること。そして最後に、自分の小説を書きはじめること。著者の後について「小説を書く旅」に出た読者は、今まで気づかなかった小説のおもしろさに気づかされる。書くよりもまず、読んでみたくなるはずだ。そして、著者の教えどおり、まねをしたくなる。

   要するに、本書は「小説(を楽しむための)教室」でもある。その意味では、小説家になりたい人が目を通すべき実用の書といえる。音楽を好きな人が音楽家になり、スポーツの好きな人がスポーツ選手になるように、小説を書くためには小説を深く、楽しめることが前提だ。この本を読むと、小説がますます好きになるはず。文章の巧拙やプロット、キャラクターづくりのテクニックを越えた、小説の魅力に目を開かせてくれるからだ。(栗原紀子)

高橋源一郎の作品 ★★★★★
これは高橋源一郎の作品だと思います。
非常に“佳い”作品だと思います。

小説を書くマニュアルを教えるというのではなくて、
「スピリット」を伝授しようとされている。

そして、それに成功しています。

“早いボール”(本書にそれが何を意味するのかが出てきます)が、
びゅんびゅん飛んで来て、びっくりしましたが・・!
というか、高橋さんのボールも相当早い。
それもまっすぐなボールじゃない。

余談ですが・・
片岡義男さんの文章は美しい、と前から感じていたので、
この本の中でそれが称えられていてうれしかったです。
著者は一億3千万人に小説との付き合い方を説き、そこら中から小説が沸き出でて来ることを期待している ★★★★★
「小説に書けるのは、ほんとうに知っていること、だけp.48」であることをしっかりと認識して、世界を「他の人とちがった目で・・・徹底的にp.65」見ることにより、「やる気まんまんで近づこうとするp.74」と「すっとどこかへ、飛んでいってしまう。軽い、儚いp.72」小説と「ただ遊んでやるp.75」ことで、「小説は・・・・あなたの懐に、向こうから飛び込んでくる。P.75」。小説と遊ぶには、いろいろな作家の「「小説」の世界に入り込んで、その中で、ゆったり日向ぼっこp.82」をし「小説を読みながら考えるp.101」、いろいろな作家の小説を「だれかを好きになる時、・・そのものとおなじようになろうとし、そのために行いをまね、ことばをまねようとするp.112」ように「まねるp.101」ことからはじめることで「その受け継がれたことばは、その人だけのことばに行き着くp.112」。「独創や個性に至るには・・・なにかをまねしてみること、まねすることによってその世界をいっそう知ること、そのようにしてたくさんのことばの世界を知ること、さらに、そのことによってそれ以外のことばの世界の可能性を感じること、・・が必要p.121」「まねることは、その間、それを生きること、でもあるp.125」。だれでも読めば小説が書いてみたくなる本。
技術は後回し。技術が使いこなせる小説家という人種にひとっとびになろう ★★★★★
奥深げにレビューしたいんですが、なにぶんわたくし浅学でして、だからこの一言で。

この本は小説家という人種になれる本です。


あとは蛇足です。

1技術に迷ったら「1週間でマスターシリーズ」
2リハビリするなら「物語の体操」
3読者の視点を取り戻したければ「小説を書きたがる人々」
4どうにもスランプに陥ったら、自分の大好きな小説家の本。わたしは北杜夫。なかんずく青春記。

高橋さんのいう真似することの、具体的な真似の仕方は1で。
1は辞書だからっていう感覚でいるときは2を。
なんだかわからないけど、書くとつまらなくなっちゃう・・・っていう、スランプ5秒前のときは3が。
スランプなら、この「一億三千万人のための小説教室」。この本の内容が頭に入っているなら、代わりに自分の好きな作家の好きな本を。


人間は汚されても生きているだけでいいんだ。その上に小説が読めて書ければ、金も名誉も地位もいらない、だって大満足な人生だからっていう人におススメします。
わたしはこの本で、どんなに最悪な状態に陥っても(OSが何回も続けてぶっ飛んだりしても)、負けずにちゃんと書くことが出来るようになりました。感謝。
この本が一つの小説のよう ★★★★☆
高橋源一郎さんといえば、テレビタレント、作家のあの方の元夫という位置づけで、
養育費を支払われているのだろうかということが気にはなるのですが、
やはりそこは小説家、作家。
この本自体が一つの小説のような語り口でするすると読めます。
取り上げられているサンプルのことばの一部も皆、興味深いものばかり。
タカハシ先生、さすがです。
小説を書こうと思ったことはないけど、書いてみようかなという気にもなりました。
もっと評価されてもいいのでは、高橋源一郎。
「著書が書いた」ことは間違いない! ★☆☆☆☆
内容の無い低レベルな本。虚しい。読み終わるや、うそ寒い淋しさに襲われるまで。
基本的には著者お気に入りの(偏った)書物からの引用が脈絡なく羅列されるだけ。オリジナルの内容は実質的にほぼ皆無。
唯一著者からのメッセージらしいことといえば「小説は書くものではなくつかまえるものだ」ということくらい。普遍的な有効性には乏しいと思われるこの感覚的な表現が、何の工夫も変換もなく繰り返されるばかり。退屈なのを通り越して、呆れる。
小説を書く意志のある人ない人、また文章指導の参考となる図書をさがしている人など、どのような人にとっても全く読む必要のない書物である。
こういうヒドイ本が収められているのは「岩波新書ならでは」だ。岩波は、編集部による実質的なゴーストライティングをしない稀有な出版社だからである。