「竜頭蛇尾系」サスペンス
★★★☆☆
通常のサスペンス映画は、話が進むにつれてスケール感が高まっていくのですが
こちらは時間と共にスケール感が薄まっていく
「竜頭蛇尾」な味わいを持つサスペンス映画となっているように感じました。
それだけに無益な犠牲をもう少し減らせば独特の味わいを
さらに高めることが出来たのではないでしょうか?
何故か評判悪いが、私はハリソン・フォードのジャック・ライアンは好きだなぁ
★★★★☆
まずお断りしておくべきなのは、私はトム・クランシーの小説を1冊も読んでいないので、原作におけるジャック・ライアン像が全くわからない。
故に、ハリソン・フォードを映画の中でのCIAの1Profilerもしくは1Analistとしてしか捉えておりません。
そういう前提でこの作品をReviewします。
私は元々ハリソン・フォードという役者が好きではないのだが、何故かジャック・ライアン役のハリソンは気に入っている。
次作「今そこにある危機」でもそうなんだが、彼の役どころは腕利きAgentでもなかれば、ジェイソン・ボーンのような殺し屋?でもない、単なる分析屋であり、劇中オタオタしながら窮地を乗り切っていく様が頗る好感が持てる。
この手のHero物にはよくある、敵からの攻撃をSuper Manの如く交わしていく(弾は全く当たりません)ジャックはご都合主義の塊かもしれないが、家族思いの良き夫、良き父親が命辛々大活躍するAction映画って人間味があって良いもんです。
このSeriesの第1作にあたる「レッド・オクトーバーを追え!」と比べる事自体Nonsenseだと思うんですがね。
だってあれはあわや世界大戦かという危機を救う物語、一方こちらは英国王室の要人を守る & 我が身を守る話ですから、はなっからScaleの大きさは違うんです。
ショーン・ビーン演じるバカTerroristには何の魅力も感じないが、IRAの大物役リチャード・ハリスは流石の存在感です。
頬がややこけている点が『体調悪かったのかなぁ』と少し気になったが、出演者の中では一番貫禄ありますね。
Lastは小粋です。嫌でも「今そこにある危機」を観たくなります。
清潔すぎるヒーロー
★★★☆☆
映画を作る側からはH・フォードというのは「安全牌」なのだろうか。どうして警護の職員がやられてアナリストであるH・フォードが相変わらず無傷で復讐に来たテロリストを打ちのめす事ができるのか。演出・見せ方としてはカーアクションなどは冴えていながらクライマックスが真っ暗な夜の海というのは、やや興冷め。人工衛星が通る時間になると隠れる賢いテロリスト達。テロリスト襲撃の際に人工衛星から「LIVE」という映像を見ながら憤りを感じながら見ているH・フォードには共感できるが、取り上げる題材や監督の手腕は良いもののH・フォードではあまりに安心して見れてしまうのが難点。
さらりとしたエンディングとS・ビーンの悪役は良かったです。
国家の大事よりも個人の復讐!
★★★☆☆
自分は極悪非道のテロリストでありながら、弟を殺されると今までの使命を忘れて復讐に走るショーン・ビーンと、家族が襲撃されるやいなやCIAに復帰してしまうハリソン・フォードのジャック・ライアンとの対決はいかにも個人的でスケールが小さく失望してしまった。前作の「レッド・オクトーバーを追え」が気持ちのいいほどの傑作映画だったので期待が大きすぎたのだろうか。
ジャック・ライアンの家庭の描写は見たいとは思わないし、「レッド・オクトーバーを追え」が男の映画だったのに、今回は平凡な家庭劇のような場面も多く、国家の諜報活動も付け足しのようだった。唯一、面白かったのは衛星からの画像をモニターで見ながら、テロリストのアジトの襲撃を確認する場面で湾岸戦争当時の作戦会議室でもこのようなゲーム感覚のお気楽さだったのだろうと思い寒気がした。
ジャック・ライアンも、ハリソン・フォードよりは前作のアレック・ボールドウィンの方が適役だった。サミュエル・L・ジャクソン、リチャード・ハリス、ジェームズ・フォックスの脇役陣も活躍の場がなく、もったいない使い方だった。
原作の評価も、「レッド・オクトーバーを追え」も知らなければ、まあまあの作品として見れるとは思うが、しまりのない凡作だと思う。