インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

検証 本能寺の変 (歴史文化ライブラリー)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 吉川弘文館
Amazon.co.jpで確認
本能寺の変、真の首謀者は?? ★★★☆☆
今までに発表されている様々な本能寺の変の原因諸説を、一つ一つ丁寧に優良な一次資料に当たりながら検証していく。
江戸時代の研究から、2000年代に入ってからの最新の研究まで、原資料にあたりながら解きほぐしており、初心者にも分かりやすい。

「朝廷関与説」「足利義昭関与説」「南欧勢力関与説」などの黒幕説から「光秀の怨恨説」「野望説」「精神疾患説」など様々な説を、その根拠をあげ、矛盾を提示していく姿は、まさに歴史学は社会科学だということを知らされる。

しかし、著書が最後に消去法によりたどり着いた光秀謀反の真の原因である「長宗我部元親討伐、斉藤利光による謀反への加担、信長への不信」へたどり着く根拠は、著者が他の研究者を批判しているように、自説を主張するための資料の無理な解釈が見られ、やや強引なところが残念だ。
本能寺入門書として勧める事は出来る ★★★☆☆
今までの研究家の提唱した様々な説を一つ一つ丁寧に検証していく、という内容で
今まで本能寺関係の本を読んだことが無い人には分かりやすくいいと思う。

ただし谷口氏自身の説に割くページがほとんどなく、また光秀の年齢問題についても
強引な所があり、「明智軍記」や「綿考輯録」は信じられず「当代記」は信じられる
理由が「信長記」に拠る所が多いが、「信長記」や他の史料に書かれていない史実と
して確かめられる記事も散見するから、では根拠が薄い。

特に目新しいことは書かれていないので、「検証」したい人向けであろう。
他の人や史料の批判に9割 ★☆☆☆☆
「明智光秀冤罪論―信長謀殺、光秀でない」に続いて、今回はこの本である。
本能寺、読み過ぎ!という感じもしないではないが、日本史上、最も興味をそそる事件だから何度でも読みたい題材だ。

この類の本は、歴史学者であれ、市井の歴史研究家であれ、小説家であれ、論じるに資格不問のはず。
それぞれの思いやロマンを基に、提言したい結論に都合のよい資料を探し、都合のよい解釈をするもの、それはお約束として認められているものだと思っていたら、この谷口さんはどうもそれがお気に召さないようすだ。

自説をとうとうと語るのではなく、あらゆるコトを批評するのだ。
歴史評論家というジャンルの人なのだろう。
まずは史料の評価から始まる。
次は、各時代ごとの本流の評価についての評価!
次が、有名な各論(真相はこうだ)についての評価。

しかし、結局の谷口さんの自説というモノはそれまでの他人の評価に見せる切れ味はなく、織田信長と四国方面の政策に対する方針の違いと年齢から来る将来への不安が謀反に駆り立てたのだというのだ。

当代記によると、謀反当時67歳だったそうだ。谷口さん曰く、当代記はアテにならない史料だがこの年齢だけはホントのことが書いているのだ!とのこと。
四国対策については、他の人も理由に挙げているのだが、この「検証本能寺の変」では採り上げるページ数が少ない。高齢説とともに合わせて20ページ強だ。本全体で263ページ、なんと自説の展開は本全体の1割。
他の人や史料の批判に9割を割いている。

人のことをどうどか言わずに、自分のロマンを語ってほしいと思う。
あるいは、評価に徹して、自説を言わないとか。
思い切りの悪い構成だ。

そういえば、明智光秀も思いきりの悪い武将かもしれない。
山崎の合戦では全勢力を投入せず、安土に半分の戦力を残していたとか。
羽柴秀吉は、姫路城をからにしてまで臨んだ戦なのに。
「論破」対「再検証」 ★★★☆☆
鈴木眞哉・藤本正行著『信長は謀略で殺されたのか』と比べたとき、パンチ力が欠けているのは明らかでしょう。鈴木・藤本著は巷にあふれる謀略説を許せない、という情熱から徹底的にそれらを論破する本ですが、本書は各説をひととおり並べて再検証するというスタンスであるからです。
ただ、まったく無価値かというとそうでもないと思います。ひとつはおもな謀略説である朝廷黒幕説に関して、信長と朝廷の関係が対立していたのか、それとも融和的だったか、というところまで間口を広げて諸説を検証している点です。論点はいくつかあり、(1)正親町天皇と信長の関係はどうだったか(2)右大臣辞官の意図は何か(3)馬揃え(閲兵式)は朝廷への示威行動か(4)左大臣推任・三職推任は信長の圧力によるものか、等です。これらに関して、諸説を検討し、著者の持論を述べていきます。
もうひとつは、光秀が上杉氏に事前に協力を依頼していた証拠として挙げられる「河隅忠清書状」の新発見の写本の日付をめぐって、当時の上杉氏の置かれていた状況を併せて検討している点です。大体魚津城は変当時、松倉城・天神山城からの後巻きを期待できず、孤立して柴田軍に十重二十重に囲まれて「壁際まで取り詰め」(4月20日付け直江兼続宛書状)られていたはずなので、使者が到着できる余地はないはずです。河隅が書状を転送したときどこにいたのかの推測が無いのが残念ですが、おそらく春日山城にいたのでしょう。
谷口氏は信長関連本を多く著していますが、もともとの研究者ではありません。しかし、おだやかでわかりやすく、史料批判をきっちりする姿勢にはファンも多いと思います。谷口氏の著書が好きならば一読の価値はありです。
新書なら ★★☆☆☆
本書は、良くも悪くも鈴木 眞哉, 藤本 正行共著の『信長は謀略で殺されたのか―本能寺の変・謀略説を嗤う』と比較されざるを得ないのではなかろうか。後発の強みとして、その後に発見された史料や発表された活字媒体が取り上げられており、「足利義昭・黒幕説」の根拠に挙げられている『覚上公御書集』の「河隅忠清発給文書」が、従来知られている以上に多くの上杉景勝関係の史料に収録されており、重要な日付についても違いが見られるとの指摘は注目されるが、それ以上の新知見となるものはない。
ただ、関連史料がその資質の解説と共に紹介されており、江戸時代以来の研究史の流れが体系的に述べられているのは、一般読者にとっての「入門書」としてお薦めかもしれない。

ただし、あえて小説の類を取り上げていないのは良いが、より高度な情報や知識を求める向きにとっては物足りなく、価格も高すぎように思われる。