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宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))

価格: ¥1,029
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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もはや古典ではあるが、その価値はゆるぎません ★★★★☆
 巻末の訳者後記を読むと、1959年当時の日本人の反戦ヒステリー度合いが想像以上だったことがよく分かります。敗戦して20年足らず、アメリカからの思想教育を徹底的にたたき込まれ、過剰に順応してしまう日本人の姿に、やや哀れさを感じてしまいます。それだけ太平洋戦争で完膚なきまでに打ちのめされたことがよほどのトラウマだったのでしょう。2010年現在、分別ある大人が読めば、戦争賛美云々は取るに足らないディテールであることは同意していただけるでしょう。

 読み手の年齢により受け取るテーマが異なる作品は老若男女が楽しめる名作と言えますが、本書のすばらしい点は読む時代も選ばないという点ではないでしょうか。私は40歳を過ぎてはじめて本書を読みましたが、さまざまな後年のネタ元になったというだけでなく、得るものがありました。私の場合は恩師デュボア先生との禅問答的な授業と軍隊における組織論でした。

 授業の中でマルクス論に触れるところがあるのですが、「資本論」を何十年か前に頭に詰め込んだ世代の方には暴論、稚拙と冷ややかな反応でしたが、リーマンショック後の今本書を読むと「市場価値」は絵空事だ、と言い切るデュボア先生が今の経済状況を予言して見事に言い当てていることに驚嘆してしまいます。(実際金融工学による市場価値は一夜にして絵空事になってしまいました)また、入隊後は軍隊の組織構造について多くのページが割かれていますが、その中で組織の中での仕官(マネージャー)の必要数についても言及されています。出典は定かではありませんが、必要な任務を満たすための仕官の比率は5%という記述があります。過去における多くの軍隊は総数の10〜20%が士官として配属されていた軍隊は負けるために組織された軍隊みたいなものだという論理は、そのまま現代の赤字に苦しむ日本の大企業に当てはまり、組織とマネージャーと知的労働者の比率に共通するのではと思いました。

 とにもかくにも時代を超えた快作であることは間違いありません。
突き抜けたSFウォーノベル ★★★★★
パワードスーツがミリタリーロボットアニメの先駆となった古典的名作。
同時にファシズム的な問題作と言われますが、さほどではないです。
作中のマッチョな軍国主義社会は、ネタとして楽しく読めますが、同時に、ハインラインらしい一面の説得力も持っています。
そして、ネタを本気でとらえてみると、確かに深いのです。
間違いなく必読のSF作品です。
記憶に残る作品 ★★★☆☆
文庫巻末の本作品についての多方面からの評価は興味深かった。ハインラインの主義主張がファシズムを想起させるとの論調から、SFとしての是非を問うているあたりは、当時(1969年当時)の社会情勢を偲ばせる。

40年たった現代では、ハインラインの帝国主義、教条主義云々より、暴力が平和維持には不可欠であるという設定=世界観の中でのビルディングスストーリとして、肩の力をぬいて読むことができるのだと思う。映画化された『スターシップ・トゥルーパズ』は、その点が、パロディとして、より強調されている印象を受けた。

映画のような派手さや痛快さはないけれど、「権利」と「義務」等、現代にも通じる思想の断片が記憶に残る作品ではあると思う。異星人との戦いをとおしての成長物語としては、オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』の方が、個人的には好みではあるのだが。
最初に映画を見て読むのがいいだろう ★★★★☆
私が古書店で手に入れた98年版の表紙は映画「スターシップトゥルーパーズ」から採用されていたので(題字も「スターシップトゥルーパーズ」の方が「宇宙の戦士」より大きい)まず映画から見た。そしてその後に本を読んだのだが両方面白かった。

本の中では巨大グモと戦うシーンはほとんどなく、あっても具体的な描写がないので淡々とストーリーが進んでいくが、映画では兵士はパワード・スーツを着用しておらず、血しぶきが飛びかうリアリティー重視の映像となっている。映画は細かいところは原作と違えてあるが、大まかな筋は抑えてあって大きく外れてはいない。

本は戦闘シーンが冒頭と最後のみでそのほとんどが主人公の軍隊生活であり、動機がどうあれひょんなことから軍隊に入隊し、一人前の下士官、そして将校へと成長していく話である。徴兵ではなく志願兵であるために、軍隊に残る動機付けにはかなりの枚数を要している。

冷戦時代に書かれた文末の訳者後記は、今の世では逆に違和感を感じる。読み飛ばしていい。
気負わずに名作を楽しみましょう。 ★★★☆☆
何の予備知識もないまま読み始めましたが、満足できました。
異性人vs地球人の戦闘がメインのエンターテイメントと勘違いしていましたが。
優秀なレビューがたくさんあるようですので、あえて初心者目線で書きたいと思いますが、
戦闘もそこそこあり、強化スーツを身に付け破壊しまくるカタストロフィと、軍隊の中に
おける主人公の成長物語とで、十分楽しめます。
軍隊の厳しい戒律と運営の手法については、現実社会における管理職の研修テキストに
なりそうなほど、良く考えられ良く書き込まれています。
思想的な主張が強いことで賛否あるようですが、あまり構えて読まなくても良いと思います。
難解ではないですから、深く考えずとも、単純に楽しめるでしょう。