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教育不信と教育依存の時代

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 紀伊國屋書店
Amazon.co.jpで確認
内容的には今までの著書の焼き直し ★★★☆☆
内容についてはレビューがあるので違った視点で。

この本の内容は広田さんが講演をして、それに加筆・修正を加えたものです。
なので広田さんの今までの研究について触れながら書かれています。
つまり、今までの著書を読んでいればこの本をあえて読む必要はありません。
今まで読んでいる人であれば特に目新しいことはありません。

良い点としては、口語体なので非常に読みやすいことと、講演ということで内容もわかりやすくなっています。
はじめて広田さんの本を読む人、広田さんの考えの大枠が知りたい人向けだと思います。
いや〜。読んでよかった。 ★★★★☆
教育基本法変わってしまいましたが読む価値はあります。
その手の議論の中では最も簡単で面白い本の一つです。

まず、教育基本法変えなければならないほど教育は悪くなったのか。
悪くなってないというのをグラフを用いて説明しています。
少年犯罪は1960年代と比べると圧倒的に減っている。
悪くなったと主張する人はこの最近十年をみて話している。
たしかに。なるほど。と思います。
でも、結局ここ数年は増える傾向にあるんだ。。。とも思います。


とか、子育てエージェントについて。
これは子どもが非行行動に走らないために何が役に立っていたのかということ。
例えば、戦後だと義務教育でてすぐ働かないといけないから、
「労働」が権威主義的に青年を引き止めていた。とか。
現在で言えば、青年は消費力をもってきたため、
サブカルチャーなどに大人しくつなぎ止っているとか。。斬新。

主張を持っている人ですが偏っている感がなくて素敵。
読む価値はあります。
 タイトルが内容を語っている ★★★★☆
 教育基本法の改訂については、法律をいかにいじろうとも現場は変わらないのは、確かである。教育の顕在的機能と潜在的機能はその通りである。少年犯罪については、広田がかねてからの主張がこの本にも貫徹されている。ぜひ、教育関係者には読んでもらいたい。
自明視された空間を疑う ★★★★☆
 本書は「今の青少年は何をするかわからない」、「メディアやゲームは若者をだめにする」といったテレビなどでよく見かける教育言説に対し、「そんなことはない」と全編にわたって一貫した態度によって描かれています。しかし現在の教育を楽観視しているわけではなく、解決すべき問題もあるとして、いうなれば「教育に対するリテラシー」とでも呼ぶべきものの必要性を、現在の教育に対して批判的な論者に対して投げかけています。

 筆者が大学などで行った講演などに加筆・訂正を加え出版したものなので、文体も話し言葉調で、読みやすい。しかし、それだけに説得力の欠ける部分は多少なりとも目に付いた。こういった教育肯定論を述べてゆく場合、やはり統計などを利用しなければ、個人的な体験談では説得力不足は仕方ないでしょう。それだけデリケートな問題であり、表出しづらい問題であると捉えられなくもないですが、私はそう感じました。

 教育改革のもたらす良い面と、悪い面の両方に触れている点(当然といえば当然ですが、読んで初めて気付かされました)、学校の社会化機能と配分機能、子育てエージェント、地域教育の落とし穴(教師の専門性の喪失)、教育の限界などに触れた論考は、大変参考になり、様々な示唆を受け取る事が出来ました。

 本書と共に、同じ筆者の作品である『日本人のしつけは衰退したか』という本を参考にしながら読んでゆくと、更に深い見識が得られるような印象を私は受けました。見た目は厚いですが、それほど重量は無い点から考えて、上記のような点に興味がある方には一読の価値ありだと思います。

教育を考える足場として ★★★★☆
「学力低下」や「少年犯罪」、あるいは不景気による閉塞感が背景に在るのか、子どもや学校に関わる出来事や現象が、「問題」として議論の俎上に上ることが多くなってきた。日常的な、学校内部の工夫に委ねられるものであっても、マスコミに取り上げられると、時にヒステリックな論調を招来する。「問題」解決への即効性が追求される中で、教育と文化の底が浅くなって来ているのかもしれない。
本書は、学校教育の現状と教育をめぐる社会のありようを、冷静に分析・整理・考察することで、学校批判・教師批判に短絡しやすい一般社会人と現場のルーティンに閉じこもりがちな教員の双方に対して、広い視界を提供してくれるようだ。