businessとcorporationとbusiness lawyer
★★★★☆
Businessは本当に幸福をもたらせているのか?
Corporationの存在しない世界はどんな世界だろう?
我々は,Corporationとどう付き合っていくべきか?
これらの疑問に答えられないとすると,
business lawyerの存在理由は何だろうか?
秀作!
★★★★☆
ナチスドイツと「企業」が同じセンテンスの中で語られる本質的な指摘や、フォックスニュースの件は特に興味深く見ました。ただ、世界恐慌の中、アメリカではカリフォルニアなど複数の州政府が財政破綻かそれに近い状況にあるなかで、税収や雇用の面で企業がなくては役所から学校まで基本的な住民サービスが影響を受けるのも事実ですから「企業」だけが悪者でいいのか、と複雑な気持ちにはなります。貨幣や資本主義という問題もあるとは思うがタイトルが示すとおり、企業が悪としての主役ですから仕方ありません。
欧米の文化は、英国国教会やアメリカ建国といった例を見るまでもなく、支配層やオーソリティと主義主張が合わなければ分裂して自分たちの宗教や国までも創る(独立する)という行動主義がベースになっています。この映画はカナダ映画ですが、テレビ番組の内容から裁判の結果まで左右できる巨大企業に我々がいかに毒されているかを暴きながらも、自分たちは(そしてこの映画に賛同するであろう観客も)騙されません、というマニフェスト的なものであって、特定の視点や主義・主張はあって当然の欧米文化から出てきた作品であることを理解した上で見るのがよいかもしれません。
いかなる時代のいかなる国であれ、支配層と被支配層が存在するのは人間社会の常。現代の支配層が大企業という名の名ばかりの人格(法人)であることはわかるが、王族や宗教が支配していた時代を含め、完璧もしくは鑑みるべき支配体制があったなら、少しは提案してくれてもよさそうなものだが、この作品の制作者は自分たちの主義主張の論証に少し没頭しすぎたようで、クールさに欠けるところが、評価の別れる原因でしょう。
誰が訳したのかは不明ですが、日本語字幕の質がイマイチ。sweatshop のように訳語が統一されていないものもあれば、企業の agenda を「方針」と訳していたり、とニュアンスが伝わりにくい訳が特に前半、散見されたのがおしい。
企業という恐ろしい存在。
★★★★★
この映画を見終わった今、この映画をいっしょに見た人をはじめとする自分の周りの大切な人たちのために、自分は一体何ができるのだろう。
自分が働いて金銭を得るという、資本主義社会の中では基本中の基本の行動を深く再考させられる作品。ただし、冗長な部分があるのでもっとコンパクトにまとめられるのではないだろうか。
興味深い映画だった
★★★☆☆
「アトミック・カフェ」「コロンバイン」
「華氏911」のような娯楽性がなかった。
マイケル・ムーアのようなキレがなく、
映画というより何かの研究発表みたい。
映像は、家庭用ビデオの延長って感じだし、
もっと遊び心、娯楽の要素が欲しかった。
印象に残ったのは、未発達の子供の心に
忍び込む企業のマーケティング。
消費することに価値をおく人間を
企業が操作して作っているという話。
マイケル・ムーアが語る企業の「欲」も、
映画好きとして興味深いものがあった。
145分間、飽きさせない内容ですが、
DVDで十分かも・・。
解決策など見当たらない問題です
★★★☆☆
元ネタの本を読んでいたのでDVDにも手を出してみました。最近の左派センチメントは「国家」から「多国籍企業」に向かっています。確かに、ある意味「国家」よりも強敵かもしれません。フットワークが軽いですから。かつて国家が帝国主義という「拡大」に向かったように、多国籍企業もまた世界を舞台にした「拡大」を目指します。そもそも「増やす」という衝動が人間存在の根源部分と結びついているのでしょう。子孫も領地も権力も財産も人間関係も知識も、あらゆるものを増加させたいと。それが「良い」のだと。「『商売を拡大しない』が社是です」という企業体はないだろうなぁ。
企業を人間に喩えるならば「サイコパス」である、という前提で各界からの多彩なゲストのコメントで繋いでいくドキュメンタリーです。一般的な有名どころはマイケル・ムーアですか。多国籍企業弾劾の書『NO LOGO』が一部で古典となったナオミ・クラインも登場します。日本人の大好きなチョムスキーも登場。しかし一番の重鎮はミルトン・フリードマンでしょう。原作にも登場してCSR(企業の社会的責任)などという概念自体ナンセンスである、と辛辣に語っていましたが、このDVDではあまり挑発的なコメントはしていません。
暗い気分になれるドキュメンタリーですね。いまやほとんどの人間が「企業」から収入を得ている訳だし、私も毎日クルマを運転してますし、本はよく買うし、先進国の人間はほぼ誰一人例外なく「有罪」だということです。そうなのでしょう。楽園を目指して地獄に突き進む人間の姿が見えます。解決策はおそらくありません。