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刑事たちの夏〈上〉 (新潮文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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その正義感に、一気読み☆ ★★★★★
十年前の作品を、昨今の警察ブームに乗って、出版社を変えて再文庫化。
だから、そういう時代だったな〜とか思いながら読み始めるが………

あれよあれよという間に作者の世界に入り込んでいってしまう。
文体の好き嫌いはあるかも知れないが、少し読みすすめば気にならなくなる。
それよりも、ページをめくる手が休めなくなります。

政治の闇を、裏側を……それに対峙する正義感ありの刑事たちと読むか、
それとも、
毎日満員電車に乗り、社会に去勢されたあれをクビからネクタイという名でぶら下げて、
一度は誰もが思う、こんな組織、世の中「ふざけるな」
と言えない自分を反面的に重ねて読むか……。

いずれにしても、熱い読後感に間違いないです。
上下巻ありますが、長く感じません。
今年(2009年)は冷夏で夏が来ませんでしたが、
刑事たちの夏は暑い!!
帯に偽りなし ★★★★★
平成21年2月、折からの警察小説ブームを反映して、
この「刑事たちの夏」は新潮文庫から復刊された。
帯に「警察小説の最高峰」という文句をまとって。


書店に平積みされているこの本からは、
「おもしろいよ」というオーラが発散されていた。
ただ、帯の文句が大げさに見えて手を出せないでいた。
GWを前に、何か面白そうな本を求めて
何軒かの大きな書店をぶらぶらしたが
この本以上のオーラを出しているものに出会えず、
だまされてもいいやと購入。


読み出したらとまらない。
正直なところ、小説としては未熟だが、
ストーリーが面白いし、
スピード感があるのでぐいぐい引き込まれる。
キャラがいまいち立っていないので、
小説というより、ドキュメンタリーあるいはシナリオとして
読んでいる。
そういう欠点を通り越して、読者をひきつけるこの本のストーリーは
「警察小説の最高峰」という文句にふさわしい。
まだ上巻を読み終えたところだが、
この先どこまで膨らむのか楽しみである。


お馬鹿な期待だが、
この本
原案:久間十義
作者:横山秀夫
で出してもらえないだろうか。
警察小説の金字塔 ★★★★★
大蔵官僚白鳥が歌舞伎町のビルから墜落死します。まずは、事件なのか事故なのか、他殺なのか自殺なのか、それを調べねばなりません。

警視庁は刑事たちに動員を掛け、妻子と別居している寂しい中年であるところの松浦刑事が休暇中にもかかわらず呼びつけられるところから物語がはじまります。松浦刑事は独自の銀座のホステスルートで、死亡直前に白鳥と接見していた女性から事情聴取することに成功します。その女性の話から、白鳥に自殺する様子はなかったとの証言を得ます。他殺を確信した松浦刑事に、管理官は「自殺と認定した。この件に関しては捜査を終了する」と通達してきました。

正義漢の松浦刑事は単独捜査を続行します。マスコミに捜査情報の一部をリークして、不可解な自殺認定を糾弾します。警察組織そのものも松浦刑事は敵に回してしまいます。

そんな状況下、マル暴の赤松刑事、旧友古沢検事、元刑事の大和田らを仲間として、大蔵省の深い闇に切り込んでいきます。やがて浮かび上がる、警察庁長官と警視総監の対立が見えてきます。

陰謀と陰謀が錯綜し、疾走するスピード感満点の警察小説です。

ラストは涙を禁じ得ません。
あなどってはいけない ★★★★☆
ポップで軽快な書き出し、美人キャバクラ孃を恋人に持つ警官が主人公、
と言う感じで、何となく大沢在昌の軽快刑事物、なんて読んで行くと。。。
これがなかなか骨がある。

標題通りの刑事達を中心に物語を進めるが、単純な謎解きは、徐々に政
界と官庁、そして警察組織自身を巻き込む巨大な疑獄に発展して行く。
そして結末に至につれ、意外な厳しさをストーリーに加え、まさかの展
開から予想外の収束を迎える。気楽に、ポップに構えていたら、足元を
すくわれた。
主人公を取り巻く登場人物もなかなか魅力的だけど、人物の深堀りは、
政官の巨悪の構造の根深さを解くうちに、ちょっと浅くなってしまった
感がある。人のドラマが微妙に浅くなって終わった気がする。

とは言え、かなりのボリュームの疑獄を良いテンポで描き切って、作者
の今後の活躍が予想できる作品だった。
読後必ずしもさわやかではない結末は、政官の闇の深さを垣間見たせい
によるものだろうか。バブル崩壊後の経済の後始末がいまだ付け切って
ないなぁ、と思わずため息をついてしまったのでした。
構想力と人間模様 ★★★★☆
 癒着し合う権力が闇に葬ろうとする事件を,複数の刑事たちがそれぞれの立場から,それぞれの流儀で明らかにしようとする。警察ひとつとっても,諸派閥のキャリアとノンキャリアに属する複数のキャラクターとその生き様が印象深く描き出されている。大がかりな物語であるが,構想は明快かつ巧みであるから,読みやすい。

 もしジャンル分けするならば,社会派推理小説ということになるのだろうが,そのジャンルの名人である松本清張の諸大作と比べても遜色ないと思う。ただ松本のやや陰湿で情緒的な文体にくらべると,ジャーナリストの書く文章のようでクセがなく,楽に読める反面,陰影に乏しい気はする。
 正義を信じて命をかける主人公の姿には,とても共感できた。