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葬送〈第2部(上)〉 (新潮文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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激動の18世紀中葉に生きる芸術家たち ★★★★☆
ショパンの音楽について、彼がサロンでどのような内容の音楽を皆に聞かせたいか、演奏会を嫌う理由、病気をおしても繊細で華麗な音を聞かせようと努力するさま、フランスで起こるあたらな革命の展開に、音楽演奏と生活費をもとめてイギリスへわたるその苦労、フランスとイギリスでの音楽への評価の違いなど、彼のピアノ作品を理解するのに役立ち、面白い。この時代の亡命ポーランド人の生き様もわかる。
一方、ドラクロアは革命から、王制、共和制へと変動するなかで、自分の作品「民衆を導く自由の女神」を上手にいかして彼の仕事、芸術がつづけられる道を生きる。絵画での色彩についても論じられている。大変な時代であったが、この時代を背景にしてこれらの音楽や絵画が産まれたことがわかる。
全巻を読み通すと退屈なところも少しあるが、たいていのページは人間関係の機微や女性のことなどもあり結構面白い。
ショパンの姿が痛ましい ★★★☆☆
 この巻では、始めにショパンのコンサートの描写が一曲ずつ、細々と続き、それに観客たちがどれほど感動したか、ということが述べられている。しかしショパンの栄光も一晩だけで、その直後に二月革命が起こり、彼はイギリスに避難する。そしてイギリス中を引きずり回され、病弱な彼は体調も気力も衰えていく。
激動のフランス ★★★★★
起承転結でいえばまさに転にあたります『葬送〈第2部(上)〉』です。
今までは、ショパン、サンド夫人、ドラクロワなどの登場人物はあくまでも自分たちの問題の中で葛藤しながらも自らの生き方を貫いて来ていたのですが、この巻では「転」の歴史的事件が起こります。
二月革命です。
七月王政が終焉を迎えるわけですが……フランス史について基本的な知識が無いとちょっと苦しいかもしれません。概説的な説明すらされていませんので。
でもまあ、大変な革命が起こって、登場人物たちは時代の荒波に翻弄された生き方を余儀なくされて行く、ということです。

この巻の見どころは、最初の部分での、ショパンの演奏会でしょうか。ピアノで演奏されるショパン自らの曲。本来は音で紡がれる芸術を、文章で表現し再構築し得るのかという大いなる挑戦です。小説とは文章で表現する媒体であり、作者の文章がどこまで高処を極められるのでしょうか?読み応え充分です。
その、素晴らしい演奏をしたショパンが、二月革命の煽りを受けてパリに居られなくなり、イギリスに渡り、更にはスコットランドなどの各地を転々とする様は、まさに都落ちです。演奏会シーンの素晴らしさとの対比により、あまりにも転落のみじめさが引き立ちます。