「インドシナ半島には旅行したくない。ウイグルに行きたい」読み終わって、心の底からそう思った。インドシナ半島の食文化は危険すぎる。高温多湿で川や沼の多い地域では、どろどろしたものやべちゃべちゃしたものが食の基本になる。なんでも発酵させればいいというものではないだろう? 乾燥したウイグルでの塩湖や干しぶどうは本当に美味しそうで、ほっとした。
巻末にゲッツ板谷の解説が載っている。小泉氏と同じようにアジアの怪食をしてまわった感想文のようなものだが、「不味い」とか「耐えられない」といった表現が頻出しており、すっきりとした読後感をあたえてくれる。
先に『中国怪食紀行』が出ているにも関わらず、中国の酒海や蛇の話が載っているのは、やはり怪食には中国が欠かせないからなのか?