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会社はだれのものか

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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前半は切れ味の良いナイフ、後半は… ★★★★☆
前半の理論的な会社の構造の解説や20世紀後半までの産業資本主義とそれ以降のポスト産業資本主義に関する考察は非常に分かりやすく、刺激的でした。ごちゃごちゃしたものを鋭い切れ味のナイフによって切っているような感覚で、気持ちがよかったです。経済学は全く勉強したことがなかったので、非常に新鮮でした。

ただ、CSRや会社の存在意義の話、後半の対談はいまいち何を言いたかったのかが分かりませんでした。(私の理解力の問題の可能性、大です。)特に、前半部最後に「会社はだれのものか」という問いに対する「基本的な答え」は「会社は社会のもの」だという答えがなぜ出てきたのかが、よく分かりませんでした。
会社は株主(だけ)のものではない ★★★☆☆
「会社はだれのものか」
この問いは、ライブドアのニッポン放送買収騒動を発端として、下々のサラリーマンも考えるようになったテーマではないかと思います。
著者は、八百屋の親父と百貨店の株主がお店のリンゴを勝手にかじるメタファーを使って、単なる「企業」と法人としての企業である「会社」の違いを明示し、株主主権論(=会社は株主のものである)を全面否定します。株主が会社のなにを所有しているのか?という論点では非常にわかりやすい解説となっています。
しかし「会社は株主のものではない」とは言えないわけで、本書の第一部の結語として登場する「会社は社会のものである」とだけ言い切ってしまうことには違和感を感じます(それも正しいのですが)。
結局のところ、「会社は○○のもの」という一義的な答えしか導けないような「会社は誰のものか」という設問自体がナンセンスと感じます(会社のもつ機能によって答えは変わりうると思いますので、端的に聞かれたら「みんなのもの」としか答えざるを得ないような気がします)。
岩井センセイの考え方には非常に共感しますし、あえて専門的な(学術的な)内容にしなかった著者の意図も理解できますが、後半の対談集が第一部の繰り返しもしくはタイトルの問いに直接関係なかったりして、大上段に構えたタイトルの割には読み応えのある骨のある内容にまではなっていないので、星3つとさせて下さい。
壮大な論理展開 ★★★★★
「会社」は、資本主義の中核をなすものであり、当然ながら利益追求を原則としている。
アダムスミスの言う見えざる手が自動的に働くのが、資本主義である。
しかし一方、会社の経営者は、会社を私物化することはできない。
強い倫理性が求められている。
ここに資本主義の内包する矛盾がある。
ポスト産業資本主義の時代においては、会社がその倫理性=CSR(社会的責任)を強く求められていくことになる。
というこの著者独特な壮大な論理展開である。
この本で岩井先生の凄さを誤解しないよう ★★★☆☆
 岩井先生の本としては、経済学の教科書を除けば「ヴェニスの商人の資本論」と「貨幣論」が代表作であろうか。特に「貨幣論」は凄かった。この本は、それに比べると内容、形式ともに、あまりに足らない。

 一部のレビューアの方が指摘しているとおり、「株主主権論は、法理論上の誤り」と片付けるのは、あまりに浅はかではないかと考える。会社(営利社団法人)が社会全体のものであることは、誰もが認めるところであり、だからこそ会社には法人税が課されている。会社法(旧商法)などの関係法令も会社が社会全体に迷惑を掛けてはいけない、という考えのもとに会社の活動を規制する。会社は、効率的にお金を稼ぐ仕組みであり、そのために法技術上「人」としての権利が限定的に認められているに過ぎない。従って、必ずしもCSR等の社会的活動を強制されるべきものではない。社会的活動は、法人税を徴収した政府や、可能な限り多くの配当を受け取った個人(もちろんその個人が出資した営利目的以外の法人でも構わない)が行えばよい、という考え方も成り立つはずである。恐らくライブドアの堀江氏などはそのような考えであろう。このような考え方に対する明確な反論は、本書には見当たらなかった。

 本書の形式面について言えば、対談形式の部分が約半分を占める。その内容は、ブログでも十分なものである。敢えて岩井克人名で書物として出版すべきものでもないだろう。私は岩井先生の大ファンであるが故に、皆様には本書についてはなるべく読まないようお願いしたい。
そうなんだ ★★★★★
会社は株主のものと思っていました。でもそうじゃないんですね。難しい話だけれど、この本を読んでよくわかりました。はやり村上さんはちょっとやりすぎです。