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スプライトシュピーゲル III いかづちの日と自由の朝 (3) (富士見ファンタジア文庫 136-10)

価格: ¥609
カテゴリ: 文庫
ブランド: 富士見書房
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危機と狂気、それでも前へ ★★★★★
 冲方丁先生が2つの違うレーベルにまたがって展開しているシュピーゲルプロジェクトの片方「スプライトシュピーゲル」──今回も国連ビル内での内務大臣暗殺から始まる連続テロに鳳たち要撃小隊を始めとするMSSが立ち向かいますが、毎度のことながら立て続けに起こるテロを相手に後手に回され、組織間の軋轢とも戦う苦闘の連続。更には副官のニナ、鳳までもが敵のウィルスに侵され、遂には身内の裏切りと、MSSは外と内の両面から窮地に立たされます。それにしてもまさかあの人が裏切るとは──まだ読んでない人のためにここでは書きませんので、実際に読んで驚いて、裏切りに走る半ば狂気にも似た心の吐露を受け止めてください。
 ちなみにこの巻はドラゴンマガジンの連載を収録したものですが、前巻の書き下ろしの影響と思える加筆修正がありますし、主要キャラ総出演のシュールなおとぎ話のパロディーが掲載されてますので、連載を見ている方も改めて買って読むことをお勧めします。
睡眠不足 ★★★★★
この本を読み終えて、寝ようと思ったのですが涙が出て眠れません。で、起きてレビューすることにしました。

このシリーズはすごく好きで、1巻の犠脳体兵器と幼い兄妹たちの話も、2巻の核兵器の話も、おもしろかったって言うと違うか、自分を含めた何もかもを犠牲にして仇と信じる相手にテロ行為をする人々とか、某国の指示で自国民を見殺しにする国の話とか、事件がヘビーで、その渦中で自分と事件にかかわる人の苦しみを抱えながら戦う少女たちが健気なわけです。

で、この3巻。今まで以上にぎりぎりまで戦い抜いております。思い出すたび泣けてきます。接続官の彼も、意外にといっては失礼ですが今回壮絶な戦いの姿を見せてくれます。これまた泣けてくるものだから眠れないんですけど!

わたしは細かいとこまで本を読まないたちで、理解できないとこはどんどん飛ばして読むもんで、ちゃんとしたレビューはできなくて申し訳ないんですけど、わたしの中では「マルドゥック・ヴェロシティ」とならんで好きな作品になりました。

あ、もちろん「オイレン」の3巻も面白かったです。ご一読をお勧めします。