インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)

価格: ¥903
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
Amazon.co.jpで確認
哲学的SF ★★★★☆
理系の専門用語が説明無しに多く用いられますが、あくまで小道具的な使われ方が多く
作中での意味合いは何となくわかるので、知らなくても特に問題は無いと思います。

美・道徳・宗教・幸福など一般的に尊ばれているものに対しての皮肉っぽい
思考実験のようにも感じましたが、文体は固くないので一般小説として読んでも
十分楽しめるかと思います。
途方もないヴィジョンの衝撃に絶叫したくなった短篇集 ★★★★★
 主人公が体験している異様な出来事の中にいきなり放り込まれる感触があって、収録短篇の多くが、私にとっては、かなりとっつきづらい印象がありました。でも、そこを我慢して読んだ甲斐が十二分にあったSF短篇集。

 途轍もない状況に置かれた主人公の“心”あるいは“意識”がどう反応するか、とか、こんな異常な事態に直面しても人間はなんとか折り合いを付けてやっていけるのだ、とかいったことが、実に深いところまで掘り下げられていたところ。すげぇなあと、ちょっと呆然としてしまった。

 イーガンの短篇の味わいについて、SF作家の山本 弘が『トンデモ本?違う、SFだ!』のなかで、<いずれも唖然となるような途方もないアイデアを用い、愛、信念、信仰、自由意志、アイデンティティ、生と死といった、我々がごく当然のものと考えている概念に、強烈な疑問符を叩きつけてくる。>と書いているんだけれど、まさにそのとおりなんですね。「もしも、不死の未来が実現したら」とか、「自分の感情、脳の状態を意識的に操作できるようになったら」といった状況を、主人公の心理とあわせて緻密に描いていくなかから、私たちが普段当たり前のものとして受け止めている「生あるものは必ず死ぬ」とか「人間の感情は本能的、自発的に湧いてくる」といった真理が揺らいでくる。人間の根幹と深く、密接に関わっているが故に見えにくかった箇所に光を当て、目を見開かせてくれる。そう言ってもいいかな。

 『祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)』に続く第二短篇集にあたる本書のなかでは、とりわけ、「ボーダー・ガード」と「しあわせの理由」の二篇に心を揺さぶられましたね。読み進めている途中から、あまりのヴィジョンの途方もなさに、「わおっ! わああああっ!」てな感じで絶叫したくなっちまいました。
「幸せ」というものを生理現象として解体 ★★★★★
SF短編九篇を収録する日本版オリジナル短篇集

「ボーダー・ガード」
ローカス賞受賞作
仮想ボールを使って行う量子サッカーというアイディアがおもしろい。
この未来社会においての「死」についての考察が興味深かった。
不死が日常となると、逆に死の魅力はますのか。
小野不由美著「十二国記」シリーズでも不死の王の精神的な衰弱が描かれる。

「移相夢」
データ化した人格はもとの人格と連続して同等たりえるのか。
現実崩壊もの。

「チェルノブイリの聖母」
私立探偵もの。
コンピューター上の宗教というネタが新鮮。

「血をわけた姉妹」
同じ環境で育った一卵性双生児でも差異はもちろんある。
同じハードでもユーザー毎の個性が出るのと類似しているのかも。

新薬実験の正確性を追及する方が目先の命より重要なのか。
つまり、多数の人命の為なら少数の犠牲は当たり前なのか。

新薬実験と同じ遺伝子を持つ双子の人生をからめた話。

「しあわせの理由」
あからさまな言い方をすると、人の気分とは神経伝達物質の分泌に左右される。
その分泌を調整するダイヤルがあるならば、どうなるのか。

神経伝達物質の分泌を調整するということは価値観を変えるということだ。
この基準こそがアイデンティティである。

SF的アイディアを日常生活レベルで描いた傑作。

もし、この価値基準を喪失し、再インストールするとしたら何を基準にすればよいのか。
結局、価値基準とは現在社会の雰囲気と連綿受け継がれてきた文化的価値に強く影響を受ける。
それなら、個人的経験は無視し、多数の人の平均値でよいのか。

「適切な愛」
母性愛がテーマ。
夫の脳を自分の子宮にいれて保護するネタがグロテスクだ。

「闇の中へ」
原子崩壊の確立についての話。
アクション風味。


目に涙がわいてきました ★★★★★
最後に収録されている短編のタイトルがついた短編集なんですが、その中でも「ボーダー・ガード」が圧巻でした。イーガンの作品に根底に常に流れている、人間の限界に対する慈愛の念をメインテーマにした作品です。読み終えたとき、目に涙がわいてきました。通勤途中の電車の中だったんですが...
☆新一みたいな… ★★☆☆☆
グレッグイーガンは初めて読みましたが、
読み終わってみて、
昔、教科書に載ってたような☆新一の短編みたいだと思いました。

量子力学とか、医学とか題材は面白いのですが、
話はそれほどでもないような…そんな感じでしょうか。

短編集だから仕方ないのかもしれないですけど、淡々としてる感じです。