中絶経験がある、彼氏に内緒で水商売をする、昔好きだった人と会う………いけない事なんだけど、どれか一つは必ず自分にも当てはまるような、意外にもすごく日常的な事。その本人は特別派手なわけでもなくどちらかと言うと家庭的。そんな主人公の話。
「ただただ泣きなくなるような衝動」「せいちゃんの匂いがもったいなくて洗えない」「なんでリカちゃんがいいコだってわかんないの?」「口の下のそのブチのことは気付けなかった」など、なにげない言葉にふと涙する事が多い一冊です。
題名は、私なりの解釈ですが、例えば「ズッキーニとオリーブオイル」では親近感が沸きません。「南瓜やマヨネーズなど」のあまりに日常なことを意味したかったのではないかと思います。おすすめです。

　すごく繊細で共感できる物語です。自分が支える人と、自分を支えてくれる人。家で待つ人と、恋する人。自分が犠牲になることを厭わない人と、それに耐えられない人。感情をおさえる人と、表出する人。いろいろな部分を併せ持った二人の男性と、美容師の主人公のお話です。　
　最終回、主人公は、ハギオと別れて、せいちゃんと再会します。それでも大好きなハギオとの関係を、主人公がいかに乗り越えたのか。せいちゃんとの生活が、それにどんな作用を与えたのか。若い作者ながら、きちんと日々の生活の重さを描いているのがすごく印象的。それが隠れた主題になっているようにさえ思えます。

女の子の恋心にジンとくる・・・・。
ばかなんだもんなぁ。
わかってるけどなぁ。
本当に大切なものは、なくしてみないと、気づけないのですね。
涙が出ちゃう。女の子だもん。

魚喃キリコさんの代表作。

主人公の心理描写が緻密でとても繊細。
飲み込まれていきます。
無駄な要素がなくて、だからこそ、
主題だけがポーンと表現されています。

たまにふと読み返したくなり、
そういう漫画に出合えたときが一番嬉しいです。

魚喃キリコの漫画は画面がすごく洗練されてて、なんか静かで独特な雰囲気があって好きです。
この人の作品は全部読んだけど一番好きなのがコレでした。
ありふれた平凡な日々って、その時は気付かないけど一番幸せなことなんだな～って。
いろいろ考えさせられちゃいました。
漫画なのに、良い映画を見た後みたいにジ～ンと感動します。なんか心に残るっていう感じがする。