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天涯の花 (集英社文庫)

価格: ¥151
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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天涯の花を東京でみる ★★★★★
天涯の花は宮尾登美子の小説です。四国に関する小説はほんとに少なくて何故だろうかとおもってしまいます それはともかく この天涯の花は「きれんげしょうま」という剣山だけに咲く花と宮尾氏は書いておられる花と主人公をかけているのですが この「きれんげしょうま」は2000メートルちかくある剣山に登らなくても毎年8月の初旬に 東京国分寺駅前にあります 都立とのがやと公園のなかで見ることが出来ます 一度いかれてみてはいかがでしょうか
山と植物が好きなので ★★★★★
養護施設で育った孤児の少女珠子が、四国の霊峰剣山上にある神社の宮司へと養女に入り、おとなしく素直で誰からも愛されるが、親の無い子故に生ずる色々な困難を乗り越え、山の自然の中での成長と恋の物語だ。

植物が好きな珠子は何時もポケット図鑑を持って歩き、花を見付けるとそっと撫でて愛でるやさしい子だが、色々な花達の中でもとりわけ剣山にしか無いと言われるキレンゲショウマに惹かれる。「天涯の花」とは、このキレンゲショウマと清純な少女珠子が重ね合わされた題名である事が、読み進むにつれ判って来る。

小説を書くにあたり何時も出来うる限り体験をする作者だが、この小説でも憧れていた剣山、体が弱く駐車場までで頂上は断念したそうだし、キレンゲショウマも見られなかったが、山の本を読み漁ったと言うだけあり、山好きの私が見て山歩きの気持ちが良く表現されていると感じた。

著者は保育園の保母の頃すでに着想しており、三十年を経て書かれたこの小説は、大自然の中での人々の生活が、下界(都会)との対比で描かれ、山と植物が好きな私は他の著作同様、無駄なく生かされた自然描写と相まって一気に読めた。

書名の象徴するもの ★★★★★
 「天涯の花」に心惹かれて購入した本。珍しくも可憐な黄の花キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)だった。四国剣山には数知れぬほど花は咲くが、この花ほど辺りを払って誇り高く、大きな群落をなし、迫力のある花はない。主人公珠子はそう思う。
「私はこの花に会うため、お山さんに来たのではないか」という気がしてくるのだつた。
 この花と自分とは深い縁で結ばれているような、不思議な感じに打たれる。
 自分の恵まれない身の上にとって、その花の世にも珍しくも美しい姿を思い浮かべることは、この上なく幸せなことだった。お山の寂寥、人生の寂寞、その中にあって、何に救いを求めて生きるか。捨て子として養護施設に預けられて育った彼女。やがて、このお山の神社の神官の養女となる。そうして多くの人に支えられて生きていく。優しくしてくれたが、去っていった久能。この先いつ会えるか知らないが、剣山にキレンゲショウマの咲く限り、
「あの人はきっと戻ってきてくれる」と信じ、新しい勇気が湧いてくるのだった。
凛としたものを感じる ★★★☆☆
終戦の年の9月18日に捨てられていた赤ん坊。その子は珠子といい、
養護施設愛光園ですくすくと育っていった。木暮園長は珠子を養女にと
望んだのだが、彼女は剣山の宮司白塚夫妻の養女となることを決意する。
そこで待っていた生活とは?

「捨て子」だという身の上が常につきまとう。今と違い偏見の目で見られる
ことの多かった時代の中で、珠子は自らの運命を切り開いていこうとする。
若い女性が山の中で何の娯楽もなく過ごす・・・。普通なら耐えられなく
なってしまうと思うが、彼女は自分が選んだ道をただひたすら突き進む。
決して周りに流されることなく、おのれの信念を貫いていく。その強さには
驚かされる。いろいろな人との出会いと別れを繰り返し、成長していく
彼女の姿は凛として美しい。珠子のこれからの人生はいったいどうなるのか?
もう少し彼女の人生を見つめたかった。
しばらく出会えないかも ★★★★★
 何年かに一度、「しばらくもうこんな本には会えないかも・・・」と、読後に感動しながらも、寂しさを覚えることがある。
 そして、これも何年かに一度、どうしても物語の舞台となった土地を訪ねてみたくなる。

 来年の夏は、キレンゲショウマが咲く頃、四国徳島の剣山に登ってみようと思う。「天涯の花」とは、高山植物キレンゲショウマであり、純粋なまま少女から大人になっていく主人公、珠子そのものである。
 松たかこの初座長舞台でも有名になった「天涯の花」だが、舞台の再上演は、もうないのだろうか。ぜひ観てみたい。

 女の一生ではなく、15歳から20歳までを描いた物語であるだけに、その純粋な美しさは、他に例を見ない。