とくに僕はこの本のラストがとても好きで、ラストを何回も何回も、それこそ数えきれないほど読み返している(もっともそういう読み方が正しいのかどうか判りませんが)。とても読了感のいい終わり方で、読み終わった後、凄く気分が良い。このレビューを書くにあたってもう一回読み返してみましたが、やっぱりいい。
ティーンエイジャーに限らず、純愛ものが好きな人になら誰にでも勧められると思う(ちなみに自分は20歳の男性)。もちろん勧める相手が幻想小説というかファンタジーな小説をある程度嗜好していることが最低条件だとは思うけれど。
自分のせいで死に追いやってしまった詩人の影をずっと追っている。
真実の恋には出会えぬまま…。
このロマンチックな紫の砂の星で繰り広げられる物語。
松村さんの物語はいい意味で現実感がなくて、ただその透明で物悲しい美しさが心に残る。
この話にはそんな作者の理想がいっぱいつまっているのを感じる。