正岡子規を身近に感じる
★★★★★
寝返りを打つこともできない病状にありながら、毎日墨汁一滴分、一行から二十行の文章をエネルギッシュに書き続けた正岡子規。
すべての楽しみがなくなり、今や飲食の楽しみも半減したとぼやく日もあれば、一人の歌人の作品を執拗に批判する日が続くこともある。小論文あり、本業の俳句を何句も書きためる日もあり。病床から見える景色を写生したような随筆も子規らしい。晩年の日常の正岡子規をとても身近に感じる。
ちなみに、私は「坂の上の雲」を第3巻まで読み、第三巻のはじめで正岡子規が逝き、登場しなくなった寂しさからこの本を「坂雲」と併行して読み進めた。根岸に保存されている子規庵を訪ねると、この「墨汁一滴」の世界に出会えることも書き添えておく。
子規随筆の真髄。死の前年に書かれたと思えぬパワーすら感じる
★★★★★
「墨汁一滴」は、新聞「日本」に明治34年1月から7月まで、
164回にわたって掲載された。死の前年のことである。
すでに当時の子規は歩くことさえままならず、結核からくる脊椎カリエスの苦痛に
日々さいなまれていた。
しかしこの随筆には、もちろん死や苦痛に関する記述はあるにしても、
それらに対して大仰に悲しんだり怒ったりすることなく、
むしろ客観的に観察しているようなところさえある。
このあと書かれた「病牀六尺」。
まさに病牀六尺から動けぬことが、子規の旺盛な観察心や好奇心を刺激しているようにさえ思える。
「墨汁一滴」では、俳句のこと短歌のことなど、
時に鋭い口調で書いたかと思うと、
まだ元気だった頃の思い出が書かれたりと、縦横無尽。
病さえ客観視し、「写生」する子規の強靱さを見るのは私だけだろうか。
巻末の粟津則雄の解説が秀逸。
俳句をやっている人はぜひ、また子規という人間に興味がある人もぜひ
読んでほしい1冊である。
病床の視点で
★★★★★
正岡子規を知る上で是非持っておきたい1冊。子規が病魔と闘いながら、何を考え、思い、日々を過ごしていたか垣間見れる本です。幼少や青春時代の面白いエピソードもあり、必読です!!きっと正岡子規をもっと好きになる事でしょう。教科書の正岡子規とは違う、人間味溢れる子規に出逢えるはずです。
病床での視点
★★★★★
正岡子規を知るには是非持っておきたい一冊。子規が日々、病魔と闘いながら何を考え、思い、暮らしていたか垣間見れる本です。子規の幼少や青春時代などの面白いエピソードもあり、必読です。