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闇の子供たち (幻冬舎文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 幻冬舎
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児童虐待のメカニズムが見えます ★★★★★
タイでの児童売春・児童臓器売買の実態を描いた小説です。

この小説では、児童売春の際の性描写が非常に事細かにリアルに描かれています。その描写を読んでいて感じたのは、読んでいても全く欲情しないことでした。ただただ、強姦されても抵抗することも許されない子供たちの無言の悲しみが心に響いてくるだけです。

そして、分かったのは、児童買春する大人たちの心理です。子供は、体力的にも社会的にも、傷害を伴う強姦に対して全く抵抗できません。また、買春宿に監禁されている子供たちは、世の中から隔絶された無法地帯の住人なので、後腐れが生じるようなこともありません。いわば、性の使い捨ての玩具として子供たちを扱うことができるのです。

もちろん、子供時代に性的なトラウマを背負っていて、それが原因で児童愛好者になっている大人もいるのでしょう。しかし、この小説を読んでいて、性の使い捨ての玩具として子供たちを利用している大人たちが存在することを知りました。前者については精神療法のような対処が必要なのでしょうが、後者に対しては、単に児童買春取締りを強化すれば、リスクを回避して他の手段を探るようになるように思います。

今まで、自分自身が児童愛好者でないために、その心理がよく理解できませんでした。しかし、本書でその心理の一端に触れることができ、また、子供たちがどんなに絶望的な状況に置かれるのかも強く伝わってきました。

本書を読んで、この世から児童売買春がなくなることを益々強く望むようになりました。
(by JIN@<おとなの社会科>)
「フィクション」ならば価値は低い ★★★☆☆
 これは小説。フィクションである。
 書かれている内容は、ノンフィクションであってこそ読む価値のあるもの、知る価値のあるものだと思った。読んでいて、実際に取材したのではないかと思われる部分もあるけれど、どこにもそうは書かかれていない。あくまでフィクション。そういうことにしておかないと都合の悪い事情があったのかなとも思う。実際、これに近い話は週刊誌で読んだこともある。少し前の日本でも、貧しい一家が生きるために幼い娘を売るのは珍しい話ではなかった。現代日本を舞台にした山岸涼子「テレプシコーラ」にも児童ポルノに小学生の娘を出演させる母親が出てくる。
 人権もフィクションであり、それを学んだ人の頭の中にしか存在しない。また、相手に感情があることも、だから「かわいそう」と感じることも、自分の都合で無視することに慣れてしまえば無視しているのが当然になる。どこまでエスカレートしても不思議ではない。だからそれ「だけ」の話をわざわざフィクションで読みたいとは思わない。この作品は小説としての価値は低いと思う。ただ、これは実際に取材された事実ではないのか?という疑問を持って、こういう問題をもっと正確に知ろうとするきっかけになる。
ショック!! ★★★★★
「闇の子供たち」では人タイでの人身売買の実情を描いている。
もちろん誇張している箇所もあるとは思うが、かなりのショックを
受ける。

まさに絶望的な状況で生きていかなければいけない子供たち、殴られない
ためには兎に角命令に従うしかない。反抗すれば死あるのみ。そして
臓器売買。
小さな子供が大人達のおもちゃにされる。
それを目的にタイを訪れる客もいる。

そのような現実を諸外国に知ってもらい、人身売買をなくそうと命を懸けて
懸命に活動するNGOメンバーたち。
感情移入というより、考えさせられながら読み進む小説。

このような事が現実にある。その描写はリアリティがある。
正しく、タイトル通リ、闇・・・。 ★★★★☆
タイの幼児売春、買春の実態を描く、衝撃の内容。

いくら活字だからと言って、酷すぎて、顔をしかめたくなるような、描写が多く、あまりの悲惨さに涙が滲んでしまう箇所もあった。

あくまでも小説なのだから、フィクションは盛り込まれているだろうが、この作家は、表現力が卓越していて、まるで実際に観てきたかのようなリアリティがある。

それは、今作に限らず、「血と骨」、「睡魔」、「夜を賭けて」などでも顕著だ。

面白い小説ではない。
だが、生ぬるい描写を嫌う僕からすれば、梁 石日の小説から暫く離れられなそうだ。
以下の記事により、ある意味事実なのでしょう。 ★★☆☆☆
554人分の子ども手当申請=養子縁組の韓国人男性−兵庫・尼崎
4月24日12時16分配信 時事通信


兵庫県尼崎市在住の50歳代の韓国人男性が、
タイで養子縁組したという554人分の子ども手当(年間約8642万円分)を
同市に申請していたことが、24日明らかになった。
市は「支給対象にはならない」と判断し、受理しなかった。
同市によると、男性は22日午前、担当窓口を訪れ、
妻の母国のタイで孤児院などの子ども554人を養子縁組したと説明し、
公的機関が発行したという証明書を持参した。
しかし、市が厚生労働省に照会したところ、「極端に人数が多い」などの理由で
支給対象にならないと回答があったため、受理しなかった。


上のニュースを見る限りタイでは子供売買のブローカーが存在しているようです。
この本ももう少し突き詰めて、
子供売買をしている人間の国籍、そのシステムを追求して欲しかったですね。
そうすれば、こんな事件も起こらなかったでしょう。

以上、上記のニュースを読んで思った感慨です。
わいわい書店 ★★★☆☆
貧困に喘ぐタイの山岳地帯で育ったセンラーは、もはや生きているだけの屍と化していた。実父にわずか八歳で売春宿へ売り渡され、世界中の富裕層の性的玩具となり、涙すら涸れ果てていた…。アジアの最底辺で今、何が起こっているのか。幼児売春。臓器売買。モラルや憐憫を破壊する冷徹な資本主義の現実と人間の飽くなき欲望の恐怖を描く衝撃作。
恋文図書館 ★★★☆☆
映画にもなったから知っている人も多いはず。
冒頭に「この物語はフィクションです」と書かれているんだけど、本当にフィクションなのかどうか?と疑うほど現実味があって、怖い。
貧しい生活のために、子供が闇から闇へと人身売買されていく。あるいは、寝ている子供を無理やり誘拐し、多額の金を儲けるのを目的に子供を売っていく。
いままで、貧乏な暮らししかしてこなかった子供に、健康的で清潔な生活をさせるのは、その子供の臓器を売買するため。
その臓器とは生きていくために絶対必要なもので。
その臓器を何億という値段を出してでも、子供に移植させたいと思っているのは金持ち国家の日本人で。
このようなことが現実にあるのかもしれないな、と思わせてしまう一冊です。
レミネコショップ ★★★☆☆
平成20年夏に映画化。しかし、内容は、きわめてシリアス。商品として売春、臓器販売などに売買される、貧しいアジアの子供たちを題材にした小説です。売春に関してはほぼフィクションとのこと。なんとなく知っているつもりが、これほどひどい世界があったのかと、読んだ後救いようのない気持ちになる一冊です。■表紙は現在販売されているものと異なるようです
衝撃的な内容 ★★★★★
一気の読み、フィクションとはありましたが、考えさせられました。他国で起きている、どうしようもない出来事で、どうしようもないなら、せめて先進国で何かできないのか?買春する大人を先進国の法律で、せめてどうにかできないのか!!と思いました。
タイ王国書店 ★★★☆☆
いまだに解決はできない問題では?
内容はかなりきついです。

オリオン書房(邦画原作) ★★★☆☆
映画は、江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市、鈴木砂羽出演。8月公開。(未読)
経営者のcafe ★★★☆☆
子供たちが臓器移植の材料として殺されて行く。タイの闇の部分が明かされて行く。平和な日本とのギャップはどうしようもない。子を持つ親ならだれでもショックを受けるだろう。どこの国の親でも。
よんだ? ★★★★☆
人身売買。ウソでしょと思うけど、実際にスマトラ沖地震で話題になりましたね。
言葉は知っているけど、実態は??
この作品は、エグイ表現やリアルな表現が出てきます。苦手な人は読まない方がいいでしょう。
舞台はタイ。貧困で、テレビや冷蔵庫を買うために娘を売る。売春、病気、臓器売買・・・。幼い子どもの命が、大人の勝手のため奪われるのです。 裏社会、見てみぬふりをする警察・政府。
私たちの知っている表のアジア、知らない裏のアジア。私たちの生きている世界は、この作品に書かれていることが、本当に嘘だといえる世の中なのでしょうか?
さくら文庫 ★★★★☆
読んでいて色んな意味で心が苦しくなりました。人間を「商品」として扱う幼児売売春、幼児臓器売買のことが書かれています。フィクションでありノンフィクションです。貧困のために売られていく子供たちの末路は悲惨なものです。一切の思考を止められ「商品」として扱われる子供たちがいるという現実が実際にあることに気づいていましたか?
つ猫や書店 1号館 ★★★★★
これは、小説です。でも、この現状は、ノンフィクションなのであえてここに陳列しました。描写が生々しく、吐き気がする。でも、現実の問題。幼児売春、臓器売買-地獄絵図に感じられてしまうのは、結局は「豊かな国日本」にいるからでしょう。もし、自分がココに生まれていたら…と考えると、何と言って良いかもわかりません。わからないことだらけで、疑問が疑問が呼ぶ。ただ、はっきりしてるのが自己中心的な大人への嫌悪。金さえあれば、命さえも買える、こんな世界を作り出したのは一体何なのか。豊かさというエゴを手に入れた人々が醜いまでに描かれ、それに取り込まれないように自分よりも弱いものを食い物にして生きる人々が描かれる。弱肉強食…これが自然界の掟なら、人間は感情など持ったことが不幸の始まりなのかもしれません。貧困が故に行われる非道をなくすべく立ち向かう人々…重要な結末なのであえて言いませんが、自分ならどうするか…自分の「正義感」を疑わされ、考えさせられますよ。
草迷宮 ★★★★★
タイの山岳部野ので両親に売られた8歳の少女センラー。両親はその金で冷蔵庫とテレビを手に入れる。2年前に売られた姉ヤイルーンは、1年程でエイズに犯され、商品にならなくなると食事も与えられず、ごみ袋に入れられて処理場に捨てられる。自力で懐かしい村にたどり着くが親にも疎まれ、ある日蟻の大群に群がられた身体に父親が火を・・・。妹にも魔の手が・・・。幼児売春、臓器売買。けっして絵空ごとではない、このテーマに戦慄を覚える!!この作者の『血と骨』が映画化されたけど、これは、絶対映像にできない・・・。と以前書いたのに映画になってしまった。うそ~!!(見てないけど)子役にあんなことさせたの~???演技でもトラウマになるって!!
代表作としていい作品!ぜひ、一読を!