ドストエフスキーが予言していた現代の拙さ
★★★★★
ドストエフスキーは現代を予言していた。
自分は天才だと信じて疑わない貧しい元大学生ラスコリニコフ。
彼は「選ばれた天才は、 世界を良くするためなら、道徳など無視して良い」という身勝手なの理論をもとに、
金貸しの強欲な老婆アリョーニャを殺害しする。そして…
判事ボルフィーリとラスコリニコフの尋問における心理戦は,凡百の刑事ドラマの手本となった。
しかし小説が描きたいのは、その面白さではない、
『すべての人間は天才と凡人の二種類に分けられており、凡人は支配され服従することを好む法律の奴隷である。
それを支配するのが数百万分の一の確率で存在するに天才で,天才は法律を作る権利を持っている」
と、ラスコリニコフは思う。読者はそれは違うと想うはずだ。しかし…
結局自首を選ぶラスコリニコフ、8年の労働刑を経て、牢獄をでたラスコリニコフを迎えるのは希望とアカルイミライ
のはずだった。しかるに…
以上に私が書いたことはような十分に分かるまんが版『罪と罰』に仕上がっています。
ところで、貧困や荒れた社会は、文豪を生む。文豪ドストエフスキーは,
貧困はあるのに覆い隠そうとする力が働く現代を見抜いていたのかもしれない。
「読破」とは言いづらいけどいい作品
★★★★☆
たしかにさらっと読めて、あらすじと結末を知ることができた。「読破」とまでは言いづらく、けれどもちろん、そうしたいと思う人は原著を読んでください、ということだろう。
「凡人か非凡人か」と人の属性を二値化してしまう、今となっては滑稽な考え方。末尾の新世界への示唆が現代に跡を残している。「法律的に無罪でも、心の中で苛まれる罪の方はどうするんだ」と悩む姿は、今やミステリー小説やドラマでも当たり前に描かれているように思うけれど、当時にここまで真正面から向き合って書き連ねたところが、名作として残っている所以なのかなと思う。
主人公ラスコリニコフと判事ポルフィーリの論戦の箇所は、たしかに他の文章や映像で見てみたいと感じた。
…とごにょごにょ言ったところで、このシリーズの最大の功績は、冒頭にある似顔絵つきの人物紹介のページだ。慣れない名前を読み分ける必要がある。例えば、ソーニャ、ドーニャ、アリョーニャが登場。この姿が描き分けられているために、何の混乱もなく読める。それだけでも役割を果たしている気がする。
これは
★★★★☆
ずっと読んでみたかった罪と罰を漫画で読んでみました。とてもわかりやすくロシア文学を読むきっかけになりました。リアル感には欠けるものの、内容や登場人物を理解するにはよい本だと思いました。
人は罪を犯す、それでも生きていく
★★★★☆
原作に手を付けた事が無い人でも気軽に読む事が可能な一冊です。
ですが今作が漫画でボリュームも並みの単行本と同じ程度でも、その内容は壮絶に暗く、恐ろしさとおぞましさに溢れています。
そして登場人物も皆存在感と役割が実に見事。
闇の感情と高慢な思考から来た錯覚がもたらした行為に苦しむ主人公を倫理的な道に時にやさしく、時に厳しく導く周りの人々は魅力的。もちろん前者を翻弄する者もいます。
このレビュー始めの一文に気軽にと書きましたが内容は非情に重いですし、暗い。
しかし嫌悪感は無く、読後に得る多様な気持ちはとても尊いものだと思います。
己の罪に背くか、向き合うかの究極の2者択一、答えは明快でありながらもそこに至れない苦悩と苦闘の物語です。
読みやすいです
★★★★☆
誰しも名前だけは知っている名作ですが読破は大変と、今まで敬遠していました。
漫画だし薄いし読んでおこうかと思って購入しましたが、これが面白い!
一気に読んでしまいました。
こんなに面白いなら、原著も読まなくてはと思いました。