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存在の彼方ヘ (講談社学術文庫)

価格: ¥1,470
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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非常に難解な、言わば「現象学的倫理学」 ★★★★☆
この書は超難解である。
ある意味非常に哲学書らしい哲学書といえるだろう。
本書において、他者に対する受動性が、繰り返し語られる。
「内存在性の我執を超脱する」「みずからの口からパンを奪い、みずからの皮膚を贈与する」「他人のために身代わりになる一者」等の言葉により、倫理の根底を示そうともがいているようにみえる。ヒトは自分や身内を他人よりも大事にするのが当たり前のように感じられるが、実はそうではなく、私は他者や隣人の「身代わり」「人質」「従僕の臣従」であり、しかもそれは同情などではなく、さらに能作ですらなく、その「手前」にあるのだ。一読してみて、著者は難解な文章の隙間から読者にそのようなことを感じとらせようとしているのではないかと感じた。
直前の過去は他者。直前と現在の断絶を埋める身代わり? ★★★☆☆
 フランス文学科系の超難度の超重要テキスト。
 著者はフッサールとハイデッカーに現象学を学びフランスに帰化したユダヤ人ということである。
 第二次大戦におけるドイツの被害者ユダヤ人、その同胞の「思い出」にと語る冒頭を読むと、存在を抹殺され歴史から跡形もなく消されようとしたある一民族の深い寂寥感とともに、「過去」に「存在」したもの、「過去」の蓄積たる歴史と「存在」したものへの執着があるかもしれない作品なのだとまずは読める。
 しかし、ハイデッカーの『存在と時間』はなんとか読めるし理解もなんとかできた。
 が・・・これは歯が立たたない。
 さっぱりわからない。
 何でわからないのだろうと思いつつ、本棚にあるという具合で、たまに無理して読んでいる。
 しかし、存在を時間との関係でとらえたハイデッカーの場合は「先駆性」という言葉あるように、これは「未来」を先行的に獲得する精神性の表れた作品だとみなすこともできる。
 この仮定を経れば、西田幾多郎「善の研究」は「現在」を獲得する精神性の表れた作品であり、本作品は「過去」である。ジル・ドゥールーズなどは「未来」である。
 木村敏の『時間と自己』などを読むと、この3つの「過去」「現在」「未来」の表れは、その作品をつくる著者の精神性なのだということがわかる。
 本書は「思い出」と語ることから、その表現はほんとうに過去に向いた存在論なのかどうか、検証するように読むとなんとか読めるかもしれない。
 ただ、やはり難しい。わけわからん。以下、感じた、推測するところではこうなる。
 現在を現在と感じているのは現在の自分しかいない。過去の自分は現在の自分に照らし合わせて他者だ。それはまさに、過去になったばかりの、たったいま過ぎ去った過去の自分さえも他者である。しかし、その過去は他者でありながら、自分である。今の自分は過去の自分の身代わりである。過去の自分が今の自分の身代わりとなり、過去となった。過去の自分を成り立たせる歴史、そこに存在して人々も過去であり、現在の自分に精神的に関連している。亡き同胞は生きている。それは・・・「思い出」。
赤木かんこの教えるレヴィナスを読みたい ★★★☆☆
あるお笑い芸人は、仮にTとしておこう、高校の時に過度の緊張症で
レヴィナスとハイデガーを読み込み、俺は人間の尊厳は、時間と真にたいじした時でしか得られないと発起し、親を振りきって煩くて嫌いでたまらない芸の道に入ったという。
自殺したデリダもレヴィナスのテクストにままならぬ存在の鍵を問いただし、あたかも芥川が聖書を見限って頓服自殺したように、ついに解答は無いことを見限り亡くなったことを思えば、我ら一般人において、レヴィナスが読まれる意味は一縷もないかもしれない。だがユダヤ思想に世界がかぶれだしている今、レヴィナスを突きつけ正面から金融主義者...
語ること ★★★★★
コミュニケーションの重要性と厳しさとがこの本から伝わってくる。安易に対話という言葉が用いられる今日において、大変意味深いものである。そもそも他者と関わることとは、人間が生きていくうえで避けられないことであり、またごくありふれたことでもある。しかし他者と関わるということは、決して生易しいことではなく、大変な覚悟が必要である。人と人との間には必ず暴力の生まれる可能性があるからである。相手にコンタクトをとることは、自らを危険に晒すことであるともいえる。人はこの暴力性と攻撃誘発性とを自覚しなければなるまい。相手に語りかけることの真摯さと難しさが伝わってくる。主体が他者によって形成されるといった議論もまた、示唆に富んでいる。

確かに訳はよくない。拙い語学力で原書も読んでみたが、やはり困難であった。数ページ日本語にしてみたが、こなれない。そう意図された本なのだろう。しかし読んで欲しい。生きるとは他者とのかかわりの中で意味を成す(当たり前だね)と考えている私にとって、もっとも推したい本である。

訳が ★★★☆☆
原書が超難解な為に訳が大変でこういうことになるのはわかるが、
これではレヴィナスが言いたい事が殆んど伝わらないだろう。
それと合田氏自身レヴィナスの思想を理解しているのかも謎だ。
それでも星3つなのはやはり原著が良いのであまりにも評価を下げると可哀想なのと、何だかんだ言ってもこの書を訳した事を評価したい。