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小さきものたちの神

価格: ¥4,162
カテゴリ: 単行本
ブランド: DHC
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神は「人間らしく」生きられない ★★★★★
小さきものたちの神は喜びを紡ぐ。
何もないところから。
屋根と壁とベッドだけがある小さな家から。
星空の下の露にぬれた草むらから。
心が傷ついたこどもたちも、神の手の中でやすらぐ。
その指先から、きれいなものや
みんなの役にたつものを作り出す。
信じられないほど完璧なできばえ。
「どうして、そんなことができるの。」
「生まれつき、知っていたから。」

それでも神は人間の世界にいられない。
自然は美しいのに。
愛が罪になる世界。
本当に生きるために死の代償が必要な世界。

因習というにはあまりにも深く根を降ろした階級制度。
なぜ、なぜ、なぜ、なぜ。
決して答えてもらえない問いを飲み込んでは
言葉をなくすほかない。

胸がつまるような現実を、こんなに美しく綴った小説をほかに知らない。
汚いものや目を背けたくなる現実も避けることなく描きながら、作品の世界がこんなに
美しいのは、文章の力と作者の心の力によるのだと思う。冷酷にさえ思える行動をとる
人物もユーモラスで、どこか憎めない。ユーモアは強さにつながる。神ならぬ人間の希望だ。
読み終えたときに感じる ★★★★★
読んだ後で心の奥底に何かを感じさせる本です。目には見えない、強く、美しく、そして悲しい、情熱的な何かです。心で感じる本だと思いますが、著者のアルンダティ・ロイがどのような女性なのかをお知りになると良いかと思います。
美しい南インドの匂いがする ★★★★★
カースト問題、大家族制度、警察の腐敗、政治運動、などといったインドの社会問題を多く含みながらも、印象に残るのはあざやかな色彩、南国の風景、雨の匂い、美しい家族といった詩的な情景ばかりなのは、子どもの視点で書かれているからだろうか。子どもの生きている世界は、同じ時間と空間を共有していても、大人の世界とは全然違う。そこには理屈も批判も時間の流れさえもない。子どもは、ただあるがままに目に映し、匂いを嗅ぎ、手触りを感じ、大きな人たちの声を聞き、自分に理解できるほんの少しのことだけを理解して、小さな世界で生きている。小さくて、不自由で、豊かで、幸せな世界。アルンダティ・ロイの、やわらかでユーモアに満ちた文体も、取りとめのない子どもの頭の中をよく表現していて、素晴しい。