娘の死と、生き方の代償
★★★★★
スカーレットとレットの夫妻がどんどんすれ違っていく姿がリアルで怖くなります。レットはこれまでの夫と違い、スカーレットの奔放さを愛してきた。ところが夫婦になり娘をもうけた瞬間から、二人の気持ちにすれ違いが生じてきます。
夫になったレットが冷たすぎるので、5巻はいちばん読むのが辛いのですが、勘違い女の行く末というものをこれほど見事に描いた作品は他に知りません。
私から見ると、子育ての方針についてはスカーレットにもレットにも一理あるし、どちらも悪い。それがボニーの悲劇につながったと思うので、どちらが一方的に悪いとは言えない気がします。
そして最大の庇護者メラニーの死が圧巻です。メラニーによって真実の愛を知ったスカーレットは、レットを追いかけ、そして…
去ったレットを取り戻しに行く覚悟を決めるところが、凡百の小説を圧して本作を輝かせる物なのだと思います。
あきんど・スカーレット
★★★★★
読むほどに笑っちゃうほど悪どいスカーレットの商売が、読者には小気味よく、大河ロマン、恋愛物といった「風と共に〜」が、ピカレスク小説ともなっている。
小鳥のような脳みそで、数字のことなんてまるでわからない、と育てられたはずの南部のお嬢様スカーレットが、実は恐ろしいほどの商才の持ち主であり、渡り屋や悪党の利権屋たちを向こうに回してやり合う姿を2番目の夫のフランクは嘆きながら見ている。出産まぎわになってもまだ仕事を続けようと執念を燃やす姿は、現代の第一線で働く既婚女子の姿にも似ています。
これだけ長い小説だと中だるみもありうるのに、この作品は違い、どこを開いても面白いです。
こんなの初めて
★★★★☆
こんなに長い物語(小説)を読んだのは初めてです。1カラ5までで軽く2000ページはあるんじゃないだろうか。舞台は南北戦争時代のアメリカ。スカーレット一派は南部です。北部の人のことをヤンキーと呼んでいます...ほんとにいろんなコトがあってほんとに色々あります。ハッキリいいまして1の頃のスカッレトと5の頃の彼女では全くに別人です。ここまでながいと言っていることの矛盾とかいろいろあると思いますが、彼女自身の性格が矛盾していますよねー。レットバトラーを殺してやりたい程憎んでいたにも関わらず、すぐに「おぉ!!レッド!!」的な感じに移ってしまう程彼女は上下いったり来たりです。でもそれが人間の本当の感情の現実なのかもしれないですね。性描写がないので子供にもおすすめできる一冊。「お母様もぜひお子様にお勧め下さい」ってやつですね(わら)←カーボーイの引用。しかし勘違いしてほしくないのはスカーッレト オハラはシンデレラではないということです。私もこの作品を読むまでは主人公の女性はピュアでハートフルなキントウ雲にも乗れちゃう女性なんだおうなーなんて思ってました。しかし、全然違います。むしろ逆です。感情の起伏の激しい、計算高い悪女です。(1巻初頭)その彼女がどのような困難に立ち向かっても成長していくのを観る作品です。スカーレットはたくましい女性である。
訳が完璧
★★★★★
原作も傑作。また、翻訳もまちがいなく名訳。読み終わるのが惜しいと
おもいつつ全巻一気に読み終えてしまった。
映画より原作のほうが好きな最大の理由は、ラストでのレットのセリ
フ。"I DON'T GIVE A DAMN"を大久保氏は「けど、決して君をうらんで
いないよ」と訳した。本来なら映画での字幕のように「全く関心がない
んだよ」なのだが、大久保氏のこの解釈・訳によって終わり方が余韻の
残るものとなった。こういう終わり方であれば、スカーレットがレット
を取り戻す、というのも納得できるのだ。
南北戦争の一面
★★★★☆
南北戦争の頃のアメリカ南部を舞台に
アイルランド出身の地主の娘スカーレットを中心に
時代を生き抜いた人々の姿を描いた超大作。
映画化され知名度が高いが
原作と映画はダイブ違っているので
映画を見たら是非原作を読んでみるといい。
細かい時代背景や
人物描写が読み応えある。
夢実屋
★★★★★
2004年12月発行
親子で、同じ本のとりこになるのは新鮮体験だ。とうとう、ここまで成長したかと感慨深いものがある。