この本の特徴は細胞を著者独特のユーモアを用いて具体的なイメージにして読者に提供していることだといえる。
例えば、線維芽細胞から膠原線維を分泌している様子を鳥が糸を拭いているようだと表現している。
日常的にこのようなミクロの世界に携わらない小生としては、経験に裏打ちされたこのようなイメージを喚起させてくれる表現は大変ありがたいものだ。
また、細胞の名前の由来も少なからず掲載してあった。組織学の先人達の業績を垣間見ることもできる。(ゴルジやシュワンなどが写真付きで載っている)
私は学者というとお堅いイメージしかなかった。
しかし、この本を読んでみると其れが誤りであることが分かる。
学者はユーモアに満ちていた。