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太陽の黄金の林檎 (ハヤカワ文庫NV)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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良い作品は素直な形で出すのがいちばんなのでは? ★★★★★
それまで同文庫に収録されていた同著をカヴァーイラストと解説を
一新して再版。映画原作となった「サウンド・オブ・サンダー」といい、
タイトル作「太陽の黄金の林檎」といい、輝く陽光を身に受けるように
眩しく感性を刺激してやまない著者の文章を手軽に楽しめるショートショート
的な短編集になっている。タイトル作を読むだけで、その詩情がすぐ心に
訴えかけてくるわかりやすさが本作の魅力だ。
しかしそういう美しい文章の本文に対して解説が俗っぽさ丸出しで萎える。
これは早川に限らないが、2000年代に入って以降のSF文庫のライト
ノベル作家の解説は、大半が本文の余韻を汚す顰蹙物的な内容と出来が
目立つ。関心を惹いてもらおうとする気持ちは分かりますが、そういう
駄文と本文が一緒になって一冊の本として評価されるのですよ。
人選なり内容に関する注意なり、もう少し考えたほうがいいじゃないん
でしょうか。
珠玉の短編集 ★★★★★
レイ・ブラッドベリと言えば、「SF作家」と言うイメージが強いが、この本には、O・ヘンリー賞を取った「発電所」を初め、珠玉の22編の短編が収められています。もちろん、今年映画が公開される「雷のような音」(映画化名「サウンド・オブ・サンダー」)などのSF作品も収められています。どの作品も素晴らしいのですが、個人的には、召使である黒人と白人が野球対決をする「黒白対抗戦」が気に入っています。
遠い遥かな旅路 ★★★★★
ブラッドベリを読むということは、遠い遥かな旅に似ている。たとえば「霧笛」。「寒い夜だった。高い灯台は冷たく、光は行き交い、霧笛はもつれる霧をかきわけ叫びつづけていた。視界はせまく、すべてはおぼろにしか見えない……」。この「孤独岬」から立ち去った後でも、哀しい霧笛は心から消えない。旅路はイリノイ州の片田舎から、太陽の表面にまで至る。瑞々しい詩情が行間からこぼれて、心にあふれる傑作短編集。「SFの吟遊詩人」という呼称のふさわしい時代の彼が、ここにいる。
黄金の林檎をつかむために ★★★★☆
傑作。短い中に色々なドラマを詰め込める作家は、そうはいない。ブラッドベリのこの短編集は、数少ない傑作の一つだと思います。表題作の最後の素晴らしさ。「霧笛」の悲しさ。『雷のような音」の背筋の寒くなるような終わり方。どれをとっても一流の仕上がりです。ファンタジーの中のファンタジーとして、この作品は長く受け継がれていくはずです。
一生に一度の大傑作『発電所』はもう読まれましたか? ★★★★★
異論はあるでしょうが、ブラッドベリのあまたの短編の中で最高傑作はなにかともし訊かれたら,私ならこの短編集に所収された『発電所(Powerhouse)』をあげますね、きっと、というかやっぱり絶対。クラシックな佇まいを持ったままゆっくりと物語が語られ始まれクライマックスがあって静かにフィナーレを迎える・・・というよくある展開なのだが、ブラッドベリが料理すると斬新なストーリーに変貌してしまう。平面的な物語の所々にクレータのような突起物が出現し始め、最初と最後は実は同じシーンなのに全然違うシーンに見えてくるという、彼がこれまでにもなんどとなくチャレンジしてきた伝家の宝刀とでも呼ぶべき趣向とスタイルを若かりし28歳頃に既に確立した記念碑的作品だと思う。SFのようでもあり普通!尡!説のようでもあり純文学のようでもありネオロマン派ポエムのようでもあり、夫婦の愛と葛藤を描いたラブストーリーでもあり人間と電気との新しい関係を模索する〈発表年当時は1948年)未来小説でもある。さまざまな要素がコラージュされ違和感なく同居しているというこの感じは今読んでも<斬新>としかいいようがないクオリティだと思う。途中に描かれる発電所の音を鉄道線路から立ち昇る陽炎にたとえるシーンは今まで読んだ表現の中で最も美しい。翻訳者の至芸とでもいうべき<超訳>なのですが成功してると思う。原文と併せて読まれると味わいが一層深まっていきますよ。

それにしてもストーリーだけ読めばある意味で他愛のないこの物語をここまでのレベルに押し上げ高められる作家がこの世の中に何人㡊„!!るでしょう。ミラクルだと思う,少なくともこの短編だけは。ブラッドベリでさえこの作品を超えられることは難しいんじゃないか、そのくらいの完成度だとということ。