そんな彼だから、新しいなぞに対しても先入観を持たずに
取り組んでいけるのかもしれません。
また、この作品が生まれたオーストラリアという地のせいかもしれませんが、
「一見無用に見えるもの」
「一見、役立たずに見えるもの」
そういったものが、実は大地の大きなからくりの中では
重要な役割を果たしているんだよ、そういう作者からのメッセージをごく素直に受け取ることができました。
ストーリーはシンプルで、もっとこったお話が好きな人には
物足りないかも。
けれど、炉辺の語り部の物語としては
こんなあっさりした物語が一番子供たちをわくわくさせてくれるのではないかと思います。
そんなある日、珍しく2年続けて旅の人が村を訪れる。
その夜、事件は起こるのである。リンの人々はねむり病にかかるのである。
半分は旅の人であるアランとローワンのみがなんとか、難を逃れる。
旅の人の先駆けであるジラーは一族の悲願のため、ローワンは谷の人を助けるために伝説の黄金の谷へと向かうのである。しかし、そこはもはや黄金の谷ではなかったのである。何故か?危機が谷に迫っている。ローワンは何故選ばれたのか?
その謎を知りたくて、読み進んでしまう。しかし、解決編は至極簡単であった。もう、1捻りあると良かった。しかし、また3巻を読みたくなる。
旅の人との友情はどうなるのか、フクロウはローワンに何を伝えるのか?
成長するローワンが楽しみである。