ジッド体験、初めての本としてお薦め!
★★★★★
古典の新訳ばやりという最近の出版傾向に倣って、この本も出されたのかもしれないけれど、ジッドという懐かしい名前につられて購入して読んだが、今回は、実に「正解」だった。
ダブーが何もなくなったと思われる現代においてさえ、主人公ミシェルの希求する生き方は、出来るようで思いのほか出来ないのではないか?そうであるが故に、ミシェルの苦悩は今の私たちのもの、なのかもしれない・・・
巻末に付された60ページもの解説+年譜は秀逸。ルネ・ベン=シュッサンの挿絵も雰囲気を良く伝えていて、近年におけるジッド入門の書としてもは最適!