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フロイト入門 (ちくま新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 筑摩書房
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フロイトへの「入り口」のひとつ ★★★☆☆
ある思想家の新書の入門書というのは、上手くいけば読者にとって手軽な導き手となり、有益
なものとなるのだが、書き手にとっては成功しても失敗しても総じて難しいものなのではない
だろうか。それは、「どこから入っていくか」という難しさだ。歴史上に名を残す、それこそ入門書
を書くに値する思想家なのだから、おそらくその思想体系も一言では言い表せないはず。
その中からこれはという重要な側面を取捨選択して、新書という限られた枚数に収めなければ
ならない。そこでは、書き手の知性や教養、文章力といったものとはまた別のセンスが試される。

本書はタイトル通り、精神分析の大家フロイトの新書。この著者が選んだのは、フロイトの個人史
を追いながら精神分析を説明する、という手法だ。ご存じの方もいるだろうが、フロイトは臨床経験
の中から、その独自の概念を構築していった。その点において、その臨床歴を追いながらフロイト
を考察することは、ある意味「正統」といえる。
彼もご多分に漏れず、生前にいろいろな人物と親密な師弟関係、友情関係を築いては、ある日
突然というほどいきなりその関係が破綻していたりする。本書が指摘するように、フロイトと周囲
にいた人の関係は、ユダヤ教徒と原父モーセ、あるいはオイディプス神話における父ライオスと
息子オイディプスの関係に奇妙に符合するのだから興味深い。

その反面、本書では基本的な概念の説明が手薄になっているようにも思える。例えば意識と前
意識、無意識、超自我と自我の違い。そしてそれら全ての源になっているEsの説明など、巻末
にある図解だけでは、本当の初学者にとっては厳しいところだろう。

他にも数多の入門書が出されている。例えば、フロイトの精神分析理論の中でもいきなりその
核心、性理論のみにスポットを当てているのがこちら↓
高校生のための精神分析入門 (ちくま新書)
暴露本 ★★★★★
タイトルに「入門」と書いてあるけれど「入門書」っぽくはないので、この本からフロイトに入るのはあまりお薦めしませんし、
正直なところ内容にはかなり衝撃を受けましたけれど、ドキドキハラハラしながら一気に読めてしまいました。
そういう意味では読みやすい本であると思います。
フロイトの暴露本、、、というか、ゴシップ本のような気がしないでも無いけれど。
前半は、読んでいて「え”〜」って思いました。
「精神分析入門」あたりを読んでから読むことを強くお薦めしたいです。
ある程度フロイトを知っていないと、この本を読んでも「何が面白いの?」と思うでしょうから。

それにしても、どういう人を対象に書かれた本なのだろう(笑)。

わたしは、最後の方についている「読書案内」に載っていた『フロイト家の日常生活』という本にも興味を持ちました。
なんだかサザエさんチックでいいな。
実は、家政婦パウラさんが見たフロイト一家の暴露本。
文章に難あり、内容も詰め込みすぎ ★☆☆☆☆
フロイトの人生、伝記的事実に軸をおきながら、フロイトの精神分析の発展を跡付けた本。とりわけ人生のいくつかの重大な出来事とフロイトの思想とのかかわりに重点を置いて、ちょうどフロイトの人生そのものを精神分析的に取り扱っているところが特徴である。
そのような試み自体はいいのだが、理論の解説のところはしばしば煩雑で短いスペースに多くを詰め込みすぎているきらいがある。また、それでは伝記として十分な内容になっているかというと、著者がフロイト思想にとって重要だと考えるところの事実のみに偏っており、到底バランスの良い伝記ともいいがたい。結局のところ、「入門」と銘打ちながら、初心者が一読してフロイトの人生、思想のどちらかの概要を知るのにも不十分な本であるように思う。

またそれ以前の問題として、著者の文章に難があり、しばしば混濁した表現が見られる。また私が手にしているのは第一刷であるが誤植も少なくない。こうした点は編集者の責任も大きいように思う。

したがってフロイトに入門するのに本書から入るのはお勧めできない。概要を知るには鈴木晶氏の書物、やや専門的な本では小此木啓吾氏の本、そして思想と人生の関わりについては、やや大部になるがピーター・ゲイの本などを参照したほうが、より確かな理解が得られると思う。
100年目のエッセンス ★★★★★
フロイトの人生がなぜ精神分析という学問と不可分か?という問いを設定し、現代的な知見や新しい情報も盛り込みつつ、精神分析を創始したフロイトという文脈、フロイトの生きた社会的文脈を呈示する。
フロイトの死後、時間が経ち、フロイトを直接知る人々も去っていくことで失われた情報もあるかもしれないが、逆にフロイト神話から自由に、当事の社会的文脈からも距離を置いて語りうるようになった。
冷静で明晰な無駄のない文章に、かなり削り落とし絞り込んだ印象を受けるが、同時に、種々の図式、巻末の読書案内など、詰めに詰め込んでいるとの感想も持った。
読み応えがあり、精神分析に興味を持つ人に有益な一著。最初の一冊としても適切。まったくの予備知識がない人は、多少、圧倒されるかもしれない。
フロイト入門 ★★★★★
フロイトの理論ではなく生い立ちを中心に解説された入門書でフロイトの幼児期の空想と現実的な出来事を織り交ぜながらどのように精神分析理論を構築していったのかについて著者のマニアック(?)と言ってよいほど詳しく詳しく書かれている。創始者フロイトではなく一人の人間フロイトとして接することができる本ではないだろうか。これまでのフロイトについては誤解や曲解が多く、またフロイトの後継者によるフロイト文庫の検閲などありフロイトの概要はつかめても細かいところはなぞに包まれているところもあったようである。さらに翻訳問題と言われるものもあり、英訳・日本語訳としてのフロイト文庫は原著とはかなり雰囲気が違っていたこともあったようである。しかし、最近ではもともとのドイツ語から日本語訳される作業が進み、フロイト文庫の開放が徐々にではあるがなされているところから今後は新たなフロイトイメージができてくるのではないかと思う。本書はそのような時代的な背景を受けて書かれている。