新学年ということで、新キャラも登場し、華やかで明るい感じがありますが、
正直ちょっとパワーダウンの感じは否めません。理由としては、今回2編収録されていますが、
同じ出来事をめぐる表と裏方の様子を紹介していて、焼き直し・こじつけといった印象があるのと
主要人物のある秘密が明かされるのですが、それがこういう状況で明かされる理由が理解できない
ということ。
基本的にはぎやかで楽しい分だけ、余計惜しいです。
最後の結末を読んで、「感動した!!」という気分が半分。もう半分は、「しっかり見えてもたかが高校生」(文庫版初巻より)の彼女たちがここまでやるとはという驚嘆の念。この2つが入り交じった複雑な思いになった。
ちなみに、雑誌版と比べると「ほとんど内容は変わりません」(あとがきより)とのことだが、ストーリーラインと関係ない部分では細かい加筆が大幅に行われている。興味のある方は雑誌版と読み比べるのも一興。雑誌版は別の人が挿し絵を描いてるし。
とりあえず志摩子さんと乃梨子さんの話なので無条件に最高なんですが、
実際、お話としてもおもしろいです。
リリアン女学園が乃梨子さんの視点で異質な環境として描写され、
それから、志摩子さんとの出逢い、宗教裁判とつながっていくわけです。
しかし、宗教裁判の過激さから、一転して大団円にまとまるのは、
すこし違和感があったんですが、どうでしょうか?