この本は伊藤先生が毎回作っていた「駿台模試」や駿台の「校内テスト」で使われた問題を中心に編まれたもので、この基礎編は高1レベルから高2レベルの問題を扱っています。問題が1ページ以内のごく短く、大学受験生には平易に感じられるかもしれません。それに対し解説が5ページくらいさかれています。そして(少なくとも伊藤先生がいたころは)英文和訳の採点がどのような基準でなされていたのかを知ることができると思います。そしておそらくその基準は大学の採点基準を上回る厳格さであることは、間違いないと思われます。
しかし、この本を平易に感じられなければ、自分の基礎が甘かったのだと思って、『ビジュアル英文解釈PART1』(駿台文庫)をやるなどして、基礎を固める必要があると思います。
ところでぼくの評価がなぜ星4つなのか。それはこの本による直接的な効果、即効性に乏しいのではないか、という懸念があるからです。これをやったからといって力が付いた、という性質の本ではありません。ですから、高3の春くらいに一気にやってしまって、その後のプランを立てるための道標、地図のようなものとしてやることをおすすめします。