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皇帝のかぎ煙草入れ (創元推理文庫 118-11)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
Amazon.co.jpで確認
正直いって期待はずれ ★★☆☆☆
「だまされたと思って騙されてください」という帯にのせられて買ったディクソン・カーの代表作。読み終わって強い不満が残った。
殺人現場の目撃証言も不確かで怪しいものを前提に最後まで話がすすんでいく。

書かれた当時としては、新鮮な心理トリックだったのかもしれないが、日頃日本作家の本格探偵小説を読み慣れている人間が温故知新の目的で読むとしたらがっかり。有栖川有栖、二階堂黎人、綾辻行人(初期の)等々、カーなど英国物本格推理の影響を受けているはずの日本人作家達のほうがよほどトリックとしても面白いものを量産している。

愚痴ばかりになってしまって悲しいが、翻訳も「目玉焼き(Fried egg)」を朝食用に卵を揚げるだとか、犬の種類のキング・チャールズ・スパニエルをスパニエル犬の”チャールズ王”とか、犯人でもない人物の証言を「本人の自供によれば」など、55版も重ねているのだから、何とかしてほしい。
予想外。 ★★★★★
まさか最後にそう持っていくとは
思いもよりませんでした。
それぐらい本としては良書。
でもう読みなれている人はこういう場面が出てくる自体で
すぐ犯人がわかってしまいます。
これがちょこっと難点。


でも、犯人がとある人を貶める
テクニックは驚きを隠せません。
なかなか楽しめるかと想います。
「おや? あなたはなぜそれを知っているのですか?」 ★★★★★

向かいの家で、婚約者の父親が何者かに殺されたのを窓越しに目撃
した女性。ちょうどその時、彼女の傍らには、復縁を迫る前夫が居た。

状況証拠から、彼女に容疑がかけられるのだが、彼女のアリバイ
を証明できる前夫は、ある事情で証言が不可能な状態となり……。



ヒロインを、醜聞と殺人のジレンマに陥らせ、サスペンスを
盛り上げていくクリスティばりのストーリーテリングが秀逸。

これによって読者を無理なくヒロインに感情移入させ、
スムーズに物語世界へと誘うことに成功しています。


また、周到な人物配置と、絶妙な「偶然」の絡ませ方も素晴らしい。


  アンティークの収集家である婚約者の父、情熱的だが粗暴な前夫と一見善良で
  誠実な婚約者、そして、ヒロインに対して含むところがある小間使とその妹――。


そうした、ヒロインを中心とした人間関係の力学が描く軌跡に、「偶然」というアクセントが
加えられることで、犯人も予測し得なかった、不可思議な絵柄が現出することになります。


そして、何といっても、本作最大の魅力は、問答無用
の破壊力を秘めた、たった一つの手がかりにあります。

完全犯罪と思われた本作の犯行を、一瞬にして瓦解させるこの手がかりは、
そのシンプルさ、シャープさから、クイーンの某作のアレに匹敵する出来なの
ではないでしょうか。




個人的にカーの中では一番好きな作品 ★★★★★
 作者のウリである密室が登場せず、ごくありきたりな殺人……と思わせておいて、読者を一撃でKOしてしまうもの凄さ。カーの高笑いが聞こえてきそう。自分がカーマニア入りするきっかけとなった作品。
 個人的にカーの作品の中で一番好きな作品であり、もう100回は読んでいる。相変わらずの丁寧な伏線。総ての推理小説家に見習ってもらいたい。
 犯人はかなり易しい部類に入るだろう。玄人受けのする作品であり、これを推す人はマニアであることも多い。トリックに引っ掛かったらびっくりすること請け合いなので、余計な知識無しに読んで貰いたい作品。
 まだこれを読んだこと無いなんて、羨ましいと同時にかわいそう。
クリスティも脱帽のトリックとは。 ★★★★☆
本書作品紹介によれば、
アガサ・クリスティに
「このトリックには、さすがのわたしも脱帽する」
と言わしめた作品。

ネッド・アトウッドとの離婚が成立したイヴ・ニールは、
真向かいの家に住む、トビイ・ロウズと婚約しました。
そんな彼女の家に、深夜、ネッドが訪ねてきます。
トビイとの婚約破棄を迫るネッドと
話し合いを続ける彼女ですが、
彼女の寝室からは、
婚約者トビイの父親モーリス・ロウズ卿の書斎が見え、
やがて彼女は、ロウズ卿が殺されているのを
発見してしまいます。
事件発覚後、彼女は、状況証拠から、
容疑者にされてしまいますが、
前夫が家を訪れていたことから、
事実を話すこともできず、
窮地に追いつめられてしまい・・・。

全体的にプロットは簡単で
わかりやすい作品に仕上がっています。
この作品で起きる殺人は、上記の1件のみ。
トリックもその殺人に関するものなのですが、
これが、クリスティを脱帽させたという
エピソード付きのもの。
ただ、残念なことに、
どんな種類のトリックなのかを説明すると、
ネタバレになってしまう恐れがあるため、
これ以上、触れることはできませんが。

ひとつだけ注釈を。
題名の「皇帝のかぎ煙草入れ」という単語には、
事件解決の重要な鍵が隠されています。
ただ、これもまた、これ以上説明すると、
ネタバレになってしまうので、
ここまでしか、お話できないのですが・・・。