インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ニッポン樫鳥の謎 (創元推理文庫 104-14)

価格: ¥97
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
Amazon.co.jpで確認
国内限定の国名シリーズ ★★☆☆☆
本書の原題は「The Door Between」で、いわゆる国名シリーズの作品ではないが、死んだ女性が日本趣味である等、日本が関係することから国内限定で「ニッポン樫鳥」と題されている。
元々雑誌掲載時のタイトルが「The Japanese Fan Mystery」だったのが、当時第二次世界大戦が近づきつつあり反日感情が高まる中、「The Door Between」に変えられたという話がまことしやかに伝えられているが、これは江戸川乱歩の推測が流布したものだろう、「The Japanese Fan Mystery」の原題が掲載されたという雑誌は存在しない。

東京帝国大学教授の娘で作家のカーレン・リースが密室状態の自室で死体となって発見され、容疑者としてカーレンの婚約者の養女エヴァが疑われる。この事件の真相をエラリーが読み解くという本書は、国名シリーズからライツヴィルものへの移行期の作品として人間ドラマに重きを置いているようだ。

ミステリー作品としては偶然が事件をわかりにくくしているだけでトリックなどなく、国名シリーズ初期に見られた鮮やかな謎解きの論理は期待できない。だから国名シリーズではないのだろう、読者への挑戦状もないし。(この内容では、挑戦のしようもないか)
かといって、人間ドラマとしても登場人物に魅力がなく、前作「中途の家」の方が上。ほとんど見るべきものがない作品。
題名と対象国が一番マッチした作品 ★★★★☆
国名シリーズの最終作で、我が日本を題名にしている、ファンにとっては嬉しい作品。しかも他の国名シリーズに付けられた国の名前がたいした意味を持たないのに比べ、本作の内容は日本との関連性が深く、その意味でも興味が持てる。

本作でクィーンはありったけの日本の知識を披露するが、その様子は微笑ましい。だが、問題は解決の部分である。あの女性は何のために、どうしてああいう方法で自殺したのか ? クィーンは一生懸命説明してくれるが、日本人である我々には理解できても、欧米人にはちょっと無理ではないのかなぁ。日本(人)を対象にした作品としては、ふさわしい解決で喜ばしいのだが、恐らく欧米人には受けなかったであろうことを考えると複雑な気持ちになるのである。
こうまで主人公の影が薄い小説も久しぶりに読んだなー。 ★★☆☆☆
 初版が1961年。43年前。翻訳者は当時60歳。43年前の60歳かぁ...と思えば、へんてこな文章も理解できる...かなぁ。解説(翻訳者とは別人)にあるように「忠実な訳」過ぎて英文の持つリズムが分断されてしまっているように見える。

 『Xの悲劇』では主人公がドルリイ・レーンで無くてはならない程に彼の個性が発揮されていたけど、「ニッポン樫鳥の謎」では主人公がエラリー・クイーンである必要は無いように感じる。こうまで主人公の影が薄い小説も久しぶりに読んだなー。

 謎解きは、さすがに最後はすごかったけど、所々「マジ?そんな説明?それってこじつけ?」と思える箇所はあった。中盤まで謎のひとつとされていた行動が「ただの偶然」で片づけられたり。結果的な(=必然性のある)偶然なら仕方ないけど、必然性のない偶然は、存在が不要。しかもその場面は話の筋には必要のない伏線なので、余計に気になる。

 「国名シリーズ」の最後の作品らしいけど、どうだかなー、この作品を持って「国名シリーズ」を評価するのは危険かなー。って、このシリーズの翻訳は全てこのおっさんなんだよなー。

こういう人殺しも可能か? ★★★★☆
「国名シリーズ」の掉尾を飾る作品。とはいえ、元々"Japanese Fan Mistery"だったタイトルを、当時反日感情のあった作者が"The Door Between"としたため、正確にはタイトルに国名は入っていない。折角この国名シリーズに日本が選ばれたというのに運の悪いことだ。

日本庭園で、日本滞在経験もある売れっ子作家が殺される。凶器は見つからない。錯綜する人間関係。エラリーが導き出した答えは恐るべきものだった・・・
随所に日本ネタが出てくるものの、日本人からすればステレオタイプだったり不快だったりする表現もある。まあ時代を考えて、仕方ないとしておこう。