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カレワラ物語―フィンランドの神々 (岩波少年文庫 587)

価格: ¥672
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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読み易さと挿し絵が素晴らしい ★★★★☆
いくつかあるカレワラから2つの訳を比較してみましょう。
「カレワラ物語―フィンランドの国民叙事詩」より
『カモが優美な姿を見せて飛びながら巣を作る場所をさがしていた。
海の上にイルマタルのひざを見つけて巣をかけ、七個の卵を生んだ。
金の卵を六個、鉄の卵を一個。
カモは卵を温めはじめた。
「何が燃えているのかしら」イルマタルはひざが燃え、ひふがごげているのかと思った。
思わずひざを動かしたので、卵は海にころげ落ち、くだけて空にとび散った。
このかけらからできたのが陸、空、太陽、月、星、雲。』

本書の同じ部分の訳
『少し時が過ぎると、一羽の鴨が羽ばたいて飛んできた。
東を飛びかすめ、西を舞いめぐりながら巣をかける場所をさがしていた。
そのとき水の母なる大気の乙女は海の中から膝を押し上げた。
かわいい鴨は水の母の膝を草の生えた丘と思ってそこへ降り立つと巣を作り始め、
六つの金色の卵を産みつけた。
大気の乙女は膝が熱くなり、肌が焦げるのかと感じて思わず足を引き寄せた。
彼女が体をゆさぶったので、卵は水の中へ転げ落ち、砕けて破片となった。

卵の下の部分は下にある大地となり、
卵の上の部分は上にある大空となった。
黄味の上のほうは太陽となって輝き、
白味の上のほうは月となって照らした。
卵の中のまだらなもの、それは星となって大空へ、
卵の中の黒いもの、それは天空の雲となった。
(第一章二三三〜二四四)』

本文中の詩は「カレワラ 上―フィンランド叙事詩 (岩波文庫 赤 745-1)」
及び「カレワラ 下―フィンランド叙事詩  岩波文庫 赤 745-2」
に関連付けられています。

読み易さを助けてくれるのが、時々はいる挿し絵ですね
(カスタマーイメージをご参照願います)
神話! ★★★☆☆
ものすごく読みやすく(少年少女向けですから当たり前ですが)て、いろいろきわどい部分をぼかしながらでしたが、かなり面白かったです。しかもこの「カレワラ」原典はすべて詩で成り立っていて、しかも全編で韻を踏んでいると言います。凄いことです。


物語は神話としていますが、どちらかというと優れた英雄の話しに近く、神よりも人間臭いのです。また伝承民話のような形態もある感じです。主人公とおぼしき老人で(老人が主人公というのもまれな神話だと思いますが)呪術と歌の名手ワイナミョネンという英雄が、カレワラという陽の当たる国からポポヨラという北方の陰の国に嫁を探しに出かけたり、どんな神話や民話にも登場するおっちょこちょい役には好青年レンミカイネン、割合分からず屋だけれど腕はたつ鍛冶屋のイルマリネンなど、個性的な登場人物が多くて面白いです。神話はかなりあけすけにきわどい表現や原罪に近いような(たとえば近親相姦や実父殺害などきわめて重いもの)表現が多く出てきますが、このカレワラも例外ではありません。しかし、なかなか落としどころが変わっていて納得できるものも多かったです。また、北方の国だけあってよくサウナが出てくるのが(気持ちを改めたり、出産に使ったりする!)新鮮でした。

また戦いの場面も多いのですが、歌で解決するあたりも、なかなか考えさせられる展開でしたし、物語の終わりはもっとびっくりする結末でした。

神話が好きな方にオススメ致します。
少年文庫版『カレヴァラ』 ★★★★★
フィンランドの民俗叙事詩『カレヴァラ』を物語仕立てに読みやすくしたものです。少年文庫版の『カレヴァラ』は膨大な話の中から18ほどの話を選び、全体の内容を読み通せます。少年文庫版『カレヴァラ』は過不足なく話を選び、コンパクトにまとめてあると思います。
卵から世界が誕生したという天地創造(第1章)に始まり、大詩人ワイナミョイネン、鍛冶のイルマリネン、暴れん坊のレンミンカイネンといった神々が冒険する話や豪傑クッレルボの活躍と彼の破滅を語る悲劇(第10章)などの話が収録されてあります。そしてワイナミョイネンがキリストの誕生で人々の信仰が変わることを悟り、静かに舟で退去し、物語は幕を閉じます。
『カレヴァラ』はキリスト教以前のフィンランドの人々の豊かな精神世界と人間と自然の共存によって紡ぎ出された遺産であると思いました。