しかしそれは一端であっても現代にいたるまで目もくらむほどの光を放ちつづけている。
河出文庫の当シリーズでは中沢新一氏による解題と語注を付属しながら
南方熊楠の膨大な著作をテーマ別に編集している。
トーテミズムに関する一文にみられるように日本人・外国人を問わず異論があれば躊躇せずに舌鋒鋭く指摘する重厚な学者南方の姿。 アメリカ旅行記にみられるようにユーモア精神あふれる軽妙な人間南方の姿。
その両極が同時にみられて非常に興味深い一冊である。
このシリーズの他巻もあわせておすすめしたい。