また、まずコンピテンシーありき、ではなく、組織・人事戦略上の課題解決のオプションのひとつという文脈で語られているため、経営戦略実現のための人事部門の役割、そして人材戦略のあるべき姿についての考察も深まる。
こうした点から、本書は、「いま、なぜコンピテンシーか」を問い直したいと考えている、もしくはコンピテンシー導入後の定着に頭を悩ましている担当者のみならず、中長期的視点で人事施策を再考したいと考えている企業のマネジメントにとっても示唆を与えてくれる良書といえるだろう。