わかりやすさピカイチの法然上人伝+浄土教入門
★★★★★
法然上人の出生から、専修念仏の発見、布教と迫害、そして追放から死までを、コンパクトにコミカライズした本です。上人の著された文献などの解説は、活字にて補強してあります。くせのない、大人向け学習まんがの絵柄なので、すんなり読めると思います。
私の信じるイエスと、同じく尊敬する法然上人の類似は、昔から言われるところですが、法然上人は源平の政争で人がバタバタ死に、誰もが命がけで救いを希求するような世の中に生きた人で、ある意味、イエス以上に過酷な世界に生きていました。さしずめ、現代のパレスチナの戦火の中を、イエスが伝道して歩いているようなものです。その辺の事情を、コミックの利点を活かし、上手く描いています。
属する宗教にとらわれず、ことに法然浄土教を敵対視する、キリスト教右派や日蓮門徒の方に是非手にとって欲しいと思います。