密教において奉られている如来から天、部までをかなり詳しく説明している本です。比叡山や高野山の修行僧でも全部は覚えていないだろう、と思うくらい、たくさん載っています。曼荼羅絵に全部描かれているといえばそれまでなのですが。
　また、メジャーな仏様には真言と梵字も記載されています。どういう役割を持っているのかも書いてあります。とはいえそれを使って呪符を作ったり、真言を唱えてお祈りしても、法力が無ければ何の効果も無いでしょう(多分)。やはりそういうことは専門職に任せましょう。
　かなり詳細に資料を調べてありますので、密教に関する入門のガイドくらいにはなると思われます。少なくとも巷に溢れている妖しい系統の本よりはまともです。
　しつこいようですが、この本に書いてある真言や梵字で何かしようとしても素人には無理ですし、危険かも知れません(さすがに太元帥法を行ったから大逆罪で死刑、ということは現代ではありえませんが)。
　密教に興味のある方で、曼荼羅の意味を知りたい、曼荼羅に描かれている仏様が何というのか知りたい、という方にはお薦めの本です