豊富な史料と懇切丁寧な説明によって、江戸の生活空間を基準に、武家から町人まで網羅できます。この内容でこの価格というのも素晴らしい！
歴史に興味がない人でも手が届き、しかも項目ごとに読んで愉しめるので、豆知識を得るつもりでちょっとした時間でも読めるのがいいです。
もちろんもともと歴史に興味がある人でも、かなり突っ込んだ部分に触れられているので、十分楽しめます。

細かく割り振られた各項目には、「便所」「衣類の洗濯」「占いと護符」「ペット」‥‥なんてのもあって、 当時の日常生活に対する素朴な疑問や気にも留めなかった事に触れているので、 江戸の生活臭がぷんぷん伝わってきますよ。

それから「江戸かわら版」と称されたミニコラムでは、かなりコアな部分の知識も得られます。
その中で「へぇぇ」と思ったのは「迷子さがし」「首斬り浅右衛門の丸薬」「鼠小僧次郎吉」 「番頭はんと丁稚どん」「噂を売った藤岡屋」「髪を切られる浮気客」小見出しを並べただけでも、 面白そうでしょう？

そして自分の一番の関心ドコロであり、最もボリューム満点だったのが、遊郭、性風俗関係（笑）
吉原の仕組みから遊女の生活、食、建物、客についても大変細かく、仔細に渡ってまとめられており、しかも添付された浮世絵がその有り様をいっそう鮮明に視覚を彩ってくれるので、 江戸の吉原をぐるっと巡った心地になれます。陰間茶屋や岡場所などのシステムもわかって、おおおっ！

まさに包み隠さず江戸を語ってくれる一冊です。

オリジン弁当のルーツのような業態として「煮売屋」があったり、現代の日本文化と江戸時代のつながりを理解したり、庶民の生活が想像できて面白い。

見開き２ページでとても読みやすい。
好奇心をそそる内容です。　

よく工夫されている図書で、江戸時代の社会を
英雄豪傑の、作られた歴史ではない、
庶民の生活を彷彿させる。
　ただ、
全頁をカラーにしてほしかった。
この点が、極めて残念至極。
　
この図書に紹介されているいろんな絵を
カラーで観ることの機会は、私をはじめ多くの読者には
おそらく無いだろうだけに、また良い本であるだけに
とても残念です。　　　　Dec.29　'08
　

著者が川柳の専門家であるようで
各項に、それにあった川柳が紹介されていておもしろい。
内容は、街や風俗、風習など細かな事項がそれぞれ見開き２ページで説明されている。
かなりの部分を網羅していると思う。
当時の絵、地図などが多彩に使用されていて興味が持てるが
反面説明文が少なく、当時の絵に注釈があるのが分かりにくい部分もある。
入門書としては、もうちょっと痒いところに手が届くような説明も欲しい。

純粋に、「へー」って言いたくなる話ばかりで、面白かったです。

私は、歴史物が大の苦手ですが、
幅広く、分かりやすく、簡単に、
“大江戸”の暮らしが垣間見れました。

この本が『色んな国』や『時代』でシリーズ化されることを望みます。
詳しい知識がない人が、入門書としてざっと全体を知りたい場合に最適な本だと思います。