王道パターン
★★★★★
名探偵が介在しないパターンでの
王道パターンなミステリー。
途中、定石どおり犯人に出し抜かれる描写も
あり、基本に忠実です。
ベタ、なのではありますが
犯人、そして最後に仕掛けられた
思わぬ伏線には驚かされることでしょう。
そう、言葉どおりに受け取ると
面食らってしまうのです。
ボビイとフランキーの
ちょっと凸凹なコンビが
織り成す危険な冒険…
落ち着いて読める作品でした。
「ブーメランの手がかり」
★★★★★
「「なぜエヴァンズに頼まなかったのか」
を伝えなかったのか」が、最初の疑問だ。
アメリカでの標題はThe Boomerang Clue「ブーメランの手がかり」とのこと。
間接表現の理由が伺われる。
アガサクリスティだと思わずに読んでも、楽しめたかもしれない。
ただし、牧師の息子という設定から、キリスト教文化についての知見があるとよいかもしれない。
題名が素敵ですね
★★★★☆
イギリス海辺の町Marchbolt で、断崖で事故死した男性の残した言葉、Why didn’t they ask Evans? を手掛かりに、幼馴染のBobby とFrances は謎を追って探索を始めます。自動車事故を偽装して、不審な男性の屋敷に乗り込み、手掛かりを探して、次々とHampshire, London, Wales を移動しながら冒険をします。最後までEvansの謎は明かされません。面白いのは、2人が推理を立てて、実際にいろんな行動を起こしていくところ、見当違いにハラハラしたり、楽しめます。Lady Frances が地位を利用して、様々に立ち回るのも、小気味良いですね。
あちこちに舞台が飛ぶので筋をたどりにくいし(私の英語力では)、クライマックスが過ぎてもまだ謎がとけないので、ちょっと冗長かなという感じもしました。それで星四つです。
それにしても、題名は日本語にするともたもたしてますね。
サスペンス
★★☆☆☆
本格推理ではなく、サスペンスですな、これは。
といっても、全編にサスペンスが漲ることもなく、ゆる〜いだるい(苦笑)感があって読んでて辛かったですが。
合理的な題名 !
★★★☆☆
私が本作を読んだ時の邦題は「謎のエヴァンズ」。これでは題名自身が謎である。改題された「何故、エヴァンズに頼まなかったのか?」は原題の直訳だが、これ自身が事件のキーとなる謎の言葉で、この謎を解こうと若い男女二人が奔走する姿が物語そのものになるというクリスティらしい合理的なタイトルである。
本作は本格物のミステリではなく、上記の謎の言葉を追って事件の真相に迫っていくという冒険活劇物である。「Boy meets girl」の趣きもある。ストーリー展開に大きな捻りはなくストレートなものだが、クリスティらしいサスペンスは充分楽しめる。
ポアロ物、マープル物のような本格味とは一味異なる爽快なサスペンスが楽しめる快作。