テーマは「勇気ある女性」
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勇気ある一人の女性の行動が
物語を進めていきます。
まさかバンドルがあのような行動に及ぶとは
思いもしませんでした。
だって、普通あのような行動は
男性だってためらうというのに…
それを女性がやっちゃうんですよ。
きっと犯人に関しては
予想もつかないことでしょう。
まさかの展開が
本当にありえてしまいますからね。
恐ろしいものです。
最後まで気を抜いてはいけない作品です。
なぜ時計が7つなのか
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なぜ時計が7つなのか。
いろいろな謎がわいてきて、その解がわかりませんでした。
アガサクリスティの経験による作品と想像(創造)による作品に分類すると、想像による作品に区分できるかもしれません。
事件のあったのはアガサクリスティの知っている地方なので、経験による作品に分類できるかもしれません。
そうすると、人物、地方と、経験と想像の2軸で4つに分類できます。
人物も地方も経験のない作品は、ほとんどないような気がしますがどうでしゅうか。
まもなく全作品を読み終わりますが、最初のころに読んだものは全く覚えていないので、断言できません。
表計算ソフトに入れて分類をはじめたので、2度目を読みながら分類していこうと思っています。
ほかに、なにか分類に使う概念はあるでしょうか。
完全に騙されてしまいました
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あまりにも意外な結末だったので、犯人に関する前半の描写について文句を言いたくなるほどでした。
ストーリーは分かり易いものです。Sir Oswald がChimneysで開いた週末のパーティーでの不審死をめぐって、若者達が事件の真相に迫ります。第二の死に遭遇したBundleはSeven Dials という秘密結社の存在を突き止め、Jimmy、犠牲者の妹Loraineと協力して活躍します。三者三様の冒険に乗り出します。
愉快な場面もあって、特にLord Caterhamのパーソナリティは楽しさを倍加します。娘Bundleの結婚をめぐっての,Lomaxとの会話では笑い出してしまいました。とぼけて見える若者が実は切れ者だったり、重厚にみえる政治家がドジだったり人間描写が固定していないところが楽しめます。
いつもながらBattle 警部の手腕は光ってますね。
『新・チムニーズ館の秘密』? 私は犯人にはびっくりしましたね。
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チムニーズ館に宿泊していた外交官の一人、ジェリー・ウェイドを驚かせてやろうと、他の宿泊客たちが彼の部屋に八つの目覚まし時計をベッドの下に忍ばせたのだが、翌朝彼は睡眠薬の飲みすぎで死んでいた。そして、八つの時計のうちの一つが庭へ投げ捨てられ、七つの時計がマントルピースの上に並べられていた。
この謎に、チムニーズ館の主人ケイタラム卿の娘、バンドルが立ち向かうが、新たな殺人が発生し、その被害者もまた「セブン・ダイヤルズ」という言葉を残して死んでいった。果たして、謎の組織「セブン・ダイヤルズ・クラブ」と事件との関連は?...というのが本書のあらすじ。
舞台は『チムニーズ館の秘密』と同じチムニーズ館で、前作で脇役キャラだった人物は多く登場するが、前作の主役だったアンソニー・ケイドは登場せず、話の内容にも前作とのつながりはない。さしずめ『新・チムニーズ館の秘密』といったところだろうか。
『チムニーズ館』を読まなくても楽しめる(実際、私は本書の方を先に読んだが特に支障は感じなかった)が、作品の雰囲気をより楽しむためには順番に読んだ方がよいだろう。
『チムニーズ館』はドバタバ劇のような軽いノリが楽しく面白かったが、意外性とか驚愕度という点では今一つだったのに対し、本書の結末には間違いなく驚かされると思う。
作者はある叙述のトリックを仕掛けていて、そのトリックは(本当はトリックではないのだが)バンドルにも仕掛けられているので、読者はバンドルの視点で物語を追っていく限り、彼女と同じ驚愕を感じるに違いないと思う。
『チムニーズ館』同様、本格推理作品ではないので論理的に謎を解くことはできない。流れに任せて一気に読み通すのがよい。
これは傑作だ
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この作品は、クリスティーの作品の中でも傑作の部類に入ると思います。
『チムニーズ館の秘密』と同じ登場人物が出てきますが、話はつながっていないので、これ単体で楽しめます。『チムニーズ館の秘密』では脇役だったバンドルが本作では主人公です。
謎のセブン・ダイヤルズをめぐる冒険ミステリです。途中で犯人はわかってしまいましたが、最後の謎解きでは驚かされてしまいました。読後、何気なく読んでいたところが、実はとても巧妙に書かれていたことに驚かされました。
個人的には、前作に続いてケイタラム卿が出てきたことと、前作では邪魔者扱いだったビル・エヴァズレーが活躍できていたことが嬉しかったです。