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雨恋 (新潮文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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変わった「日常の謎」作品 ★★★★☆
松尾由美といえば、バルーンタウンを作ってみたり椅子が探偵になってみたりといった奇抜な発想と、流暢な語り口で探偵小説愛好家に知られています。この小説では、死んだ若い女性を成仏させるために、たまたま幽霊マンションに住むことになった男性が探偵役を果たすという趣向が凝らされています。似たようなネタは「キマイラの新しい城」にもありましたが、こちらはお化けになっているのが死亡したての若い女の子なので、随分感じが違います。

この本は恋愛小説として良く書けていて、「幽霊刑事」を思わせます。特に薄倖の女性の造形がいい。それだけではなく、とても風変わりではありますが、一種の「日常の謎」系の探偵小説としても割と良く出来ています。ちょっとした部分に伏線が潜ませてあって、やはり推理畑の作者だけのことはあります。もう一つ、猫好きにもおすすめかな。探偵役の主人公が登場するまでは、猫達が幽霊の友達でしたから。
すっとんきょうな恋 ★★★★☆
 2000年に出た単行本の文庫化。
 引っ越してきた部屋には幽霊が住んでいた。彼女は自分を殺した犯人を見つけて欲しいという。調査が進むなかで2人のあいだには恋心が芽生え…というストーリーである。
 こう書くと、著者にしては平凡な話だなあと思うかも知れない。私も途中まではそう感じていた。ところが! いきなり想像もつかないような展開を見せ始めるのである。なんじゃこりゃ、と心の底から驚かされた。
 冷静になってみると、いかにも松尾さんらしい切り口である。ファンとしては期待を裏切られない一冊であった。
 結末の悲しさと温かさは印象深い。けど、そのあたりは著者にとっては蛇足なのだろう。うーむ。
帯・・・ ★★★★☆
これほど帯で損している本もそうはないんじゃないか、と。

個人的には泣けるだとか、衝撃をうけるだとかではなく
ただ単純に“綺麗だな”と感じました。

帯が持ち上げすぎてはいますが、非常に心洗われるいいお話なのは確かです。
若いうちに読んでおきたい一冊でした。


帯にだまされるな ★★★★☆
この本は帯のせいで相当損をしている。
この本は、泣くために読む本では決してない。
結果的に泣けたというのならうなずけるが。
もっと、よみやすい、流れるような文体を味わってほしい。

編集者も、ミステリー仕立ての内容や、発想の奇抜さを前面に出して売り出すべきではなかったか。。
それが、結果的にこの作者を育てるということになると思うのだが。
昨今の「泣ける本」ブームに乗っかって一発というのでは、この本を手に取った読者は、もう二度とこの作家の本を手に取ることはあるまい。
そうすると、作家は育たない。

この作者は、純文学の作品を相当数書いた末に今の作風にたどり着いたのだろうと思わせるところがたくさんある。
例えば、180ページの「ひさびさに小糠雨が・・・」で始まる段落などはそうだろう。
こういう、文章修行の上にたどりついた、
「バックボーンがしっかりしていて、どこか透明感を感じさせる文体」を味わってほしいと思う。

主に女性向きの作品だと思うが、透明感のある作品が好きな男性にもお薦めしたい。
でも、最もお薦めしたいのは、作家あるいは物書き志望の女子大生や女子高生かな。
雨の夜には・・ ★★★☆☆
一人で過ごす雨の夜には、おすすめな本かも。
別に泣けるかどうかはどうでもいい。きれいな文章でさらさらと読み進める。
ちょっと間違えば気持ち悪くなったり、あるいは滑稽に思えてしまうかもしれない出来事を、とても気持ちよく、読ませてくれる。文章が透き通るようで、きれい。さわやかに読めるのに、そして無理やりな感動なんか必要としない本なのに、
「ラスト1ページ涙が止まらない」とか「奇跡のラブストーリー」とか、帯にしょうもないこと書きすぎだと思う。この帯のあおり文句を書いた人は、この本をまともに読んでないのか?とさえ思った。
もっと静かに読ませてほしい本だと思う。