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スパイク (光文社文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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ビーグル犬は賢いか ★★★☆☆
 2002年に出た単行本の文庫化。
 分類は難しいが、ミステリっぽい要素もあるSF恋愛小説というところか。
 著者らしさが良く出た、センチメンタルな作品。嬉しいような悲しいような読後感が待ち受けている。『ブラック・エンジェル』に近いものを感じた。
 ファンの人なら、一も二もなく感動するだろう。私も、素敵な一冊だと思う。 ただ、構成の甘さや結末の不十分さもいつものとおり。そこのところが、やっぱり引っかかる。本書のように、プロットと結末が密接に連動しているような作品だと、どうしても不満が残る。
不思議な世界にワクワク♪ ★★★☆☆
ビーグル犬のスパイクを連れて散歩をしていた緑は、幹夫という男性に
出会う。幹夫が連れていた犬もビーグル犬で、しかも名前がスパイク!
お互いに親しみを感じた二人は次の土曜日に会う約束をするが、幹夫は
いつまでたっても現れなかった・・・。

幹夫が現れなかったのはなぜか?緑はスパイクを連れて幹夫の行方を
捜す。次々に明かされる真実。そして幹夫という人物についても・・。
緑がなぜ幹夫に惹かれたのか?その理由が分かったときに、ちょっと
切ない気持ちになった。近くて遠い存在の幹夫ともう一匹のスパイク。
私にももしかしたら、幹夫のような存在の人がいるかもしれない。
そう考えるとわくわくしてくる。この世の中にも、まだまだ不思議な
ことがありそうだ♪

世界の境目に鼻をつっこむ ★★★★★
SFの苦手な私がページを繰るのももどかしく、一晩で読んでしまった。
愛犬スパイクを連れて散歩する途中、スパイクとそっくりな犬を連れた青年と会った主人公。その犬の名前もスパイク。すっかり意気投合したふたりは一週間後に会う約束をするが、当日彼は来なかった。すると突然スパイクが人の言葉を喋りだし・・。

いわゆるパラレルワールドものなのだけれども、スピード感のあるストーリー展開、SFでありミステリであり、ちょっぴり恋愛小説でもあり、なおかつ愛犬家をもうならせる小説。みょうにジジイくさいことを言うスパイクとの掛け合いの会話も楽しいし、ひとりと一匹のにわか「探偵団」の活躍もハラハラドキドキ。

ネタバレするのでこれ以上書けません。読んで損はない本です。

ジャンルでいうなら「エンターテイメント」? ★★★★☆
初めて読んだ松尾由美さんの作品。せつないけど爽やかな読後感で、なんていうか、好かったです。
前知識ゼロで、かわいいワンちゃんの話と思ってたんで、話の設定には面食らいましたが、個人的には全く問題なく楽しめました。
ただ、いい作品なだけに、もう少しディテールに凝って欲しかったかな。ビールの話とか、ネットで一発検索とか、やや強引な展開に「え~!?」みたいな。それを差し引いて、これくらいの評価かと。
犬好き必読!? ★★★★☆
散歩に行った下北沢の街角で、自分の飼っているビーグルとそっくりの犬を連れている幹夫に会った緑。
名前も同じ「スパイク」
一緒にコーヒーを飲んで、翌週の約束をして別れたのに、約束の時間に幹夫は来なかった。
そして、自分の犬だと思っていたスパイクが、実は幹夫の飼い犬のスパイクで・・・。

しかもこのスパイクは、2枚目の悪役のような声でしゃべるのだ。
分別くさくて、辛らつで、意地悪だけど、スパイクがすごく魅力的。
幹夫が約束の時間に来なかった理由、スパイクが入れ替わってしまった理由、そして・・・。

切ないけど、暖かい物語です。