幹夫が現れなかったのはなぜか?緑はスパイクを連れて幹夫の行方を
捜す。次々に明かされる真実。そして幹夫という人物についても・・。
緑がなぜ幹夫に惹かれたのか?その理由が分かったときに、ちょっと
切ない気持ちになった。近くて遠い存在の幹夫ともう一匹のスパイク。
私にももしかしたら、幹夫のような存在の人がいるかもしれない。
そう考えるとわくわくしてくる。この世の中にも、まだまだ不思議な
ことがありそうだ♪
いわゆるパラレルワールドものなのだけれども、スピード感のあるストーリー展開、SFでありミステリであり、ちょっぴり恋愛小説でもあり、なおかつ愛犬家をもうならせる小説。みょうにジジイくさいことを言うスパイクとの掛け合いの会話も楽しいし、ひとりと一匹のにわか「探偵団」の活躍もハラハラドキドキ。
ネタバレするのでこれ以上書けません。読んで損はない本です。
しかもこのスパイクは、2枚目の悪役のような声でしゃべるのだ。
分別くさくて、辛らつで、意地悪だけど、スパイクがすごく魅力的。
幹夫が約束の時間に来なかった理由、スパイクが入れ替わってしまった理由、そして・・・。
切ないけど、暖かい物語です。