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女帝の手記―孝謙・称徳天皇物語 (3) (中公文庫―コミック版)

価格: ¥691
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論社
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「恵美押勝(えみのおしかつ)」なわけ ★★★★☆
橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)の乱の功績で藤原仲麻呂は恵美押勝になった。事の実際はこの漫画のようなことかもしれないし、そもそも「乱」が本当に計画されていたのかもわからない。
でも「橘奈良麻呂の乱」は日本史の授業で、「こういった事件」という言葉で教わる。

なんで仲麻呂が恵美押勝なんて変な(と私は思う)名前になちゃったんだろうと思ったら、「広く恵む美しさ、乱を未遂に終わらせこれに勝つ」という意味だったわけですね。長年の謎が解けました。

三巻にはいると、いくら仲麻呂を愛しているからといえ、力添えを受けているからといえ孝謙上皇、淳仁天皇の施政者としての判断力の無さが指摘されると思います。
しかし、天武天皇などわずかな例外を除けば天皇は権力の「象徴」で天皇ではない権力を持つもの(孝謙天皇には仲麻呂のほかに、母、光明皇太后)が政治を司る歴史が長く続いているため、そして続いていくため、半分ぐらいは致し方ないことなのかもしれません。

「普通の女として男を愛することができればよかった」人にはフランス王妃マリー・アントワネットなど有名ですが、それに似たものを孝謙上皇に感じます。