あと、ひらがなにすると意味の伝わりにくい言葉も、ひらがなになってて読みにくかった。
「天上の虹」のような完成度をキープして書くのは難しいという事か。
登場人物一人一人も”国のため”というより、ただ”自分のため”相手を操ったり陥れたりしているだけという印象があって、もう少し深い所まで表現してほしかった。
立太子した阿部内親王に施政者としての「覚悟」が、微妙な影を落としているように感ずるのは「光明皇后」の娘としての「覚悟」と「施政者」としての「覚悟」が同一だったのかもしれないと、この一巻を読んで思う。
阿部は、光明皇后を(藤原氏)という壁を乗り越えなければならない。
次巻以降、読者である私たちは彼女の成長を見守られなければならない。