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女帝の手記―孝謙・称徳天皇物語 (4) (中公文庫―コミック版)

価格: ¥691
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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強くなった阿倍 ★★★★★
ストーリーが大きく動きます。自ら天皇に返り咲き、政治に精を出す姿には憧れます。
最後の作者のあとがきも読むといいと思います。
愛に生きるか非情の権力か ★★★★☆
誰しも一旦権力の座に上りつめると、どうしてもそのロジックに雁字搦めになって行き着くところまで行かなくて納まりがつかなくなるものなのだ。藤原仲麻呂しかり、孝謙・称徳天皇しかり。権力は非情だ。愛は憎悪を同時に育くむという。そのパラドクスを二人は具現した。いいねえ。見事だ。その欠落を補うべく道鏡への愛を注ぐ称徳天皇のいじらしさ。称徳天皇への道鏡の一途な献身。天皇の系譜への執着か、それとも強者の支配が正統であるべきなのか? 女帝というありかたの捩れが至るところで噴出した稀有な時代の物語。登場人物のいづれにしても読み手は感情移入できて引き込まれずにはいない。それにして和気清麻呂はこの物語の特に第五巻の要であるのだけれど、僕はこの清麻呂の苦悩と決断にはさらなる物語が加えられてもおかしくはない何か大切なものがあると思う。なぜ清麻呂が称徳天皇の意に背いたのか? 面白いところだ。
現世で成就されない愛の悲哀と美しさが克明に描かれたメロドラマの秀作であることは間違いない。
歴史の真実は誰にもわからない ★★★★★
道鏡といえば、傾国の悪僧。そして孝謙・称徳天皇といえば藤原氏や道鏡の愚かな操り人形。私が受験日本史で習ったのはそんな一言で片付けられるものでした。でも、遥か昔の歴史も所詮は人間模様の織り成した結果でしかありません。歴史の真実は誰にもわからないのです。
阿部皇女という一人の女性が、日本を統率する女帝としてあるために、女であることを超えようともがきながら、ついに超えることのできなかった、哀しい物語。女性は愛を道しるべとして生きてゆくから、こういう結果になるのでしょうか。現代社会で自然に男性と同等に働いていると、女性でも発想が男性と同じようになってきますが、この物語は、忘れかけていた女性という生きものの性(さが)を見せてくれます。
そして、女帝の時代は終わる ★★★★☆
阿部内親王の物語の最終巻。

道鏡の柔らかな愛を選び、反藤原の宣言をする孝謙上皇と、自分を政治のコマとしてしか愛していなかった仲麻呂との決戦。上皇は勝利し、自ら称徳天皇となり政治を司る。

しかし、天皇の傍らには仲麻呂のあとに道鏡がいる。天皇は藤原の変わりに他氏族をとりたてようとする。行っていることは、本質的には氏が変わるだけで何も変わらない。

遠くから歴史を眺めているから言えるのであって、阿部にそれを要求することはやはり無理だろう。宇佐八幡の信託を(自ら判断し)告げた和気清麻呂と広虫を遠ざけるのも道鏡への愛ゆえなのだから。

「寵臣(ちょうしん)」という言葉がある。「忠臣(ちゅうしん)」という言葉がある。小さい「ょ」と「ゅ」の違いだけだが、こんなにもひびきが違ってくる言葉はそう多くない。

道鏡という忠臣を寵臣とした阿部は女ゆえ、純粋に道鏡を寵した。これが、阿部の「普通の女」への憧れと、自分の立場に対する反抗だったのだろうと思う。

阿部を最後に女帝の時代は終わる。江戸時代の後桜町天皇がその後唯一の女帝である。

古代日本に想いを馳せて ★★★★★
星暦672年の壬申の乱を境に、皇統は天智天皇系から天武天皇系へ移る。そしてまたこの物語の主人公である孝謙・称徳女帝の治世を最後に、再び皇統は天智天皇系へと移る。聖武天皇と光明皇后(藤原不比等の娘)との間に生まれた後の女帝・阿部内親王は、幼いころから天皇家を外戚関係を結び、政治の実権を握ろうとする藤原氏の野望の真っただ中で成長し、やがてその野望のため、藤原氏の力により皇太子となり、一生結婚できないという運命を背負う。

天武天皇系の最後の女帝の生き様と苦悩を描いた珠玉の逸品です。