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イメージの心理学

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 青土社
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「たましい」から湧いてくるイメージ ★★★★☆
河合先生が1991年に書かれた本です。
精神科医ユングは、患者さんと接しているうちに、多くの人が語る「イメージ」の中にある共通した要素を見出しました。彼はそれを元型と呼び、人々は集合的無意識で繋がっているものだと考えました。
客観的に観察することで得られる普遍的な知見も大切だけれど、それよりも、個人の「主観」の世界を大切にするのが相手を知る上で大事なことです。
同じものをみても人によってイメージされることは様々で、河合先生はそれは「たましい」から湧き出てくるものだと言及しています。
それを、言語的なレベルで理解したり解釈したりする前に、如何にクライアントさんと共有するか、どのような元型イメージで語られているのかを考えることはとても重要なのだと思いました。
それから、最後の方に書いてあった「死と再生」についてのお話も興味深かったです。
わたしは無神論者ですが、「死」については考えるときは宗教的なイメージがやはり絡んできます。人の人生を考えるには、このようなイメージへの深い理解も大切なんですね。
この章を読んでいて、晩年の河合先生はどのようなお気持ちで書かれたのだろう?とちょっと思いました。
イメージと人間と ★★★★☆
イメージというと、本書を読むまでは夢想や妄想、取るに足らないものと軽んじていたが、イメージをユング心理学では大切にしている事を本書で初めて知り驚いた。深層心理でのイメージが映像化されたものが夢だとしたら、夢というものが、どれほど重要なのかも納得出来る。

それ以外にも醜形恐怖の人は、他人の評価では無く、醜い、という自己判断でのイメージに捕われて苦しむと知り、絵や言語化されなければ具体化されない、このイメージという物が、いかに人間を左右し、影響しているのかが読み進むほど分かり、へえーと感心もするが、憂鬱にもなる。人間とは、このようなつかみ所の無い物で成り立っているのか、と。以来、急に夢日記をつけ始め、夢で知る自分のイメージを解析しては、精神状態を冷静に見つめる作業をするようになった。思ったより、楽しく、意外な発見が出来るので興味深い。

心理学、宗教、芸術、という、様々な分野でのイメージと人間の関係性、それによる心理が説かれている。物語を愛する河合さんらしく、児童文学を引用し、死生観とは、と書かれている個所もあり、読み物としても面白い。しかし、全体的に広がりすぎてまとまりが無いとも思えるし、所々、心理学の専門用語が説明も無く飛び交い、平易とは言い難い部分も見られる。専門家の方が読む本なのかな、とも思ったが、それでも私のような人間でも本書を読んだ事は大いに収穫になった。

イメージは侮れない。そんな感想を素直に持った。