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固有値問題30講 (数学30講シリーズ)

価格: ¥3,780
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝倉書店
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学生時代に出ていれば、、、 ★★★★★
大学の卒業研究が、行列微分方程式の解法だったので、固有値問題は勉強したことがあります。

最後の章が、フォンノイマンの1929年の論文で、エルミート関数作用素の一般固有値理論とのこと。
コンピュータで行列を演算している人間にとって、こういう話題が最後に来るのはうれしい。
本書には、Tea Timeがあり、難しい問題を解く合間に、頭を休息させるのにちょうどいい話題が掲載されています。

学生時代に、こういう本がでていれば、計算機工学の道に進んでいたかもしれない。
学生にはお勧めの1冊です。
あきらかに関数解析の入門書です ★★★★☆
まず先に「線型代数の発想」小林 幸夫や「初歩からの経済数学」三土修平と「アインシュタインとファインマンの理論を学ぶ本」竹内薫を読んでから読むべき本です。
未確認飛行
ufcpp.net/study/linear/eigen.htmlのHPをコピペして読みましょう。
スペクトルとは「固有値全体の集合」という意味の言葉です。
非可換な代数を表現する理論は「行列」の理論(線形代数)である。これを無限次元の拡張したのが関数解析である。「関数解析とは無限次元の線形代数である」 吉田耕作先生のお言葉です。関数解析とはおおまかに言えば、線形代数(行列の固有値、固有ベクトル、正規直交化、写像など)の話を実数や複素数の代わりに関数でもやってみようということです。関数を関数空間上の点と見なし、基底や内積など導入し関数をあたかもベクトルのように扱うわけである。線形空間に位相を導入する理由は、連続性の議論(収束の概念)を行いたいからで、特にBanach空間やHilbert空間のような無限次元空間において必要不可欠だからである。加法と乗法(和とスカラ倍)という二つの算法の代数的構造に解析的(距離と収束の位相)概念を導入して考察するのが関数解析といえる。ノルムを使って位相的諸概念(点列の収束、極限、閉集合、開集合)を議論する。
2次元平面や3次元空間のベクトルの長さを抽象化してノルムの概念が生まれた。ノルム空間というだけでは、解析学の基本である極限操作はできないので、空間がその操作に閉じている必要がある、これが完備性(コーシー列が収束)という性質で、それを満たすベクトル空間をBanach空間という。そのなかでも、内積が誘導されノルムを持つのがHilbert空間である。あらためて内積が定義されているベクトル空間を内積空間(または計量ベクトル空間)という。内積空間では正規直交基底やシュミットの正規直交化法など直交補空間、直和分解など論じられる。距離の概念を入れることによってはじめて2点の距離を測る数直線や実数列でやった収束の位相的解析的概念を論じることができる。Hilbert空間が有限次元のとき、線形作用素は行列で表現できる。したがってHilbert空間上の線形作用素の理論は無限次元の行列論と見ることが出来る。線形空間の基底概念とは任意のベクトルを有限個の基底ベクトルの線形結合で表わせるものはいつでも存在するということ。線形代数でベクトルを成分表示すると、直交基底ベクトルで表わされるが、関数空間でも完全正規直交系ができ、関数の成分表示が可能となる。その具体的な、イメージが「フーリエ展開」である。内積空間が完備性を持つとき、「ヒルベルト空間」という、一方ノルム空間が完備性を持つとき、「バナッハ空間」という。
連続、不連続を問わずあらゆる関数をサインとコサインで表現できるフーリエ級数。それを無限区間に拡張するのがフーリエ変換という。関数解析から量子物理学へとつながる新井 朝雄の名著「 ヒルベルト空間と量子力学」とつなげて行ければ良いのでは。この本に出てくる積分方程式については数学セミナー1995年5月号p.20を読むこと。
函数解析30講? ★★★★★
初学者だとタイトルから関数解析の本だと分からないと思うが、関数解析の入門書としてお勧めしたい。初学者が最も知りたい「なぜ関数解析を考えるのか?」という動機を丁寧に説明しているので好感が持てる。読後にはルベーグ積分から関数解析へと上手く接続される。

しかし、ヒルベルト空間は扱っているもののバナッハ空間やソボレフ空間については全く触れていない。また、リースの(表現)定理は扱っているのにハーン・バナッハの定理やラックス・ミルグラムの定理は省略されている。さらに、ベールのカテゴリー定理や3つの基本的原理(一様有界性の原理、開写像定理、閉グラフ定理)も省略されている。

このように重要な定理がほとんど抜け落ちてしまっている為、この本だけでは関数解析全般を学習するに!は不充分なのである。その不充分さが本のタイトルを関数解析とはしなかった理由の一つでもあろう。それ故、読後にもう一冊専門的な本を読まないといけない。そういう意味ではルベーグ積分と関数解析の中間を埋める本と言えるのかもしれない。

専門的な本を読んだ後に、同著者の「無限からの光芒―ポーランド学派の数学者たち」もあわせてお勧めしたい。こちらはバナッハ、シュタインハウス、シャウダーといった人達が登場する「固有値問題30講」後の関数解析の歴史物語である。

この本で固有値問題を克服しましょう ★★★★★
著者による「数学30講シリーズ」は他にも何冊か読んでいますが、本書はその中でも好著と言えます。

本書は大きく2部構成と考えられます。前半は13講までで、大学教養の線形代数程度の内容で、固有値に関するトピックが満載されています。大学で固有値がよく分からなかった方でも、前半を読めば習得できること間違いありません。

14章からの後半は、積分方程式を導入として、ヒルベルト空間上の固有値問題が取り上げられます。私自身は、後半部は仕事とは関連ありませんので、趣味的に眺めています。ちなみに本書全体の構成は、クーラン-ヒルベルト「数理物理学の方法」に似ていますので、これの攻略本(?)という使い方もできますね。

固有値を理解するための歴史的経緯の重要性を、著者は「はしがき」!でも強調されていますが、実際、フレドホルム、ヒルベルト、フォン・ノイマンなどが登場し、読者の興味を持続させる工夫が見られます。