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難解な本を読む技術 (光文社新書)

価格: ¥861
カテゴリ: 新書
ブランド: 光文社
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現代の知を自分なりに読み解いていきたい人に! ★★★★★
現代の「知」に触れたい。けれど、どこからどう触れていっていいのかわからない。そう思う人にとって絶好のガイドになる本です。

難解と言われる哲学ですが、そこには人類がずっと考察を重ねてきた「知」の結晶が確かにあります。

本の選び方から、読み取り方まで丁寧に書かれたこの本を片手に自分なりに学び取っていく時間はきっと充実した楽しいものになるだろうと思いました。まずはソシュールから読み直してみたいなと計画しています。
フロイト・ラカンの自我心理学などありえない ★★☆☆☆
本書のラカンに関する箇所について、いくつか指摘する。

pp220-221で「講義をまとめた『セミネール』(全部で11巻)が邦訳されている」とあるが、どう数えると11巻になるのか、よくわからない。セミネールは28巻Dissolutionまであるはず(?)だが、フランス語としてもまだ一部しか出版されていないし、当然邦訳も追いついていない。

p224に「端的に言うと、まずフロイトの「快感原則の彼岸」における「反復強迫」と、その理論的背景となる「自我欲動」についての、あらかたの理解が必要とされているということができる」とある。

フロイト・ラカンの文脈なら「自我欲動」ではなく、「死の欲動」とするのが一般的ではないだろうか……と思いつつ、そのあとを読んでみるとやはり著者の「自我」や「自我欲動」という語の用法が、どうもしっくりこない。しかも本書で反復強迫を説明するに当たって、「死の欲動」という最重要概念がまったく出てこないのである。これは一体どういうことなのか?

フロイトは「快感原則を超えて」(1920)のなかでは確かに「自我欲動」と「死の欲動」を同じものとしている箇所があるにはある。しかし、「欲動とその運命」(1915)では「自我欲動」は「自己保存欲動」とイコールであった。この間の定義の変更を「生きることの終局的目的は死ぬことである」というねじれを含んだ理屈を持ち出すことでフロイトは論を展開する。さらにちくま学芸文庫版「自我論集」p166で自我欲動という語の使用を「暫定的」と述べている。

つまり「快感原則を超えて」という論文はそれまでの用語の定義や理論装置が更新されているテクストであるから、やや混乱が生じやすく、読解には注意が必要なのである。ともあれ「自我欲動」という語では、説明しきれなくなって、「死の欲動」を持ち出してくるのが全体の流れであるはずだ。(ちくま版pp195-196の原注の記述を参照)

どうも著者がフロイト・ラカンの文脈における自我の持つニュアンスを誤解しているのではないか、と疑念を持ちながら読んでいくと、ジル・ドゥルーズの読み方に関する箇所で次の致命的記述に辿りつく。

p250「そこからラカンとフロイトの自我心理学を逆にたどるのも面白いだろう」

どうやら著者はラカンがフロイトを再読する中で、クリス、ハルトマン、レーヴェンシュタイン、アンナ・フロイトらの自我心理学を徹底的に批判したということを知らないのではないか、と疑わざるをえない。
フロイト・ラカンの自我心理学などありえないのだ。
なかなか参考になります ★★★★☆
今まで何度となくトライしようとしつつも,ついついもっと下世話な本に
流れてしまっていた自分にとっては,いろいろと参考になることが,あり
ました。
その点は素直に著者に感謝したいです。

読書ノートを作りながら読む手法など,随分以前,学生の頃にその必要性
を説かれたことはありますが,こうして社会に出て,はや20年以上も経つ
と,ついついそんな読み方など忘れて闇雲に壁に向かって突進していくか,
あるいはまた早々に降参して引き上げるかしか術を持たなくなっておりま
した。

確かに「いまさら」感はありますが,久しぶりに良き指導者に出合い,動
機づけが高まったような感じがあります。
そして,著者のいう難解な書物を理解することによりたどり着ける「素晴
らしい景色」を私も見てみたくなりました。

誰にも興味がわく本ではないと思いますが,少なくとも私にとっては,こ
こ数年で一番気分が高揚した本でした。






現時点では読書ノートを試していないので ★★★★☆
1.内容
本、とりわけ、難解な翻訳の哲学書には読み方がある。本を選ぶところからはじめ(本の性質や態度も決める)、何回か読むが、段階により異なる。まず、通読の段階から、読書ノートを作成すべきである(p58〜)。詳細読みの段階でわからなければ、本書に挙げられている対処法を参考にして読み取り、どうしてもわからなければ、諦めたり、人に訊いたりしよう。その他、さらにすすんだ読書法として、批判読みなどの方法も示す。付録には、実際に人が作った読書ノートの例と、難解翻訳哲学書のガイド(10名の著者)がある。
2.評価
選ぶ段階から、本書に示されているように読めば、たしかに力はつくだろう。また、大学以降の哲学書の正統的読み方なのだろう(大概は、本に線を引きそこにメモを書く)。第3に、心がけ(下らない本は読むな!おおむね言語ではなく翻訳書でよい、など)も参考になる。ただ、読書ノートの方法論が詳細なのは良いが、面倒だし、現時点では私は採用しない。この点で星1つ減らし、星4つとする。
読書にかかわる全ての人へ―より効率的、効果的な読書法☆ ★★★★★
本書は現代思想等を専門とし、

現在はフェリス女学院教授である著者が

自身の読書法を紹介する著作です。


本書が念頭に置くのは、

レヴィナス、フロイト、ウィトゲンシュタイン、ラカン

―といった現代思想・哲学の著作。


著者は、こうしたいかにも難しそうな本を「読む技術」として

「開いている−閉じている」「登山型−ハイキング型」という本の区分や

「同化読み−批判読み」という読み方の区分、

さらに、理解をサポートするため「読書ノート」をとること―などを提案し、

その意義や利点を、自身の経験や具体例に即して解説します。


また、巻末では「付録」として

スピノザ、フーコー、ジジェクなどの著名な「難解な本」を

本書で示した読み方に従って、実際に読み解きます。


この部分自体、各作品の解説として興味深いのですが

とりわけ、ラカン『エクリ』の箇所はかなり読み応えがあり、

この箇所をキチンと読み解けたら、

本書の目標はある程度達成されるのでは―と思ってしまいました。



著者が示す読書法は「難解な本」だけでなく

新聞記事や小説、報告書などを読む際にも応用可能。


もっと難しい本に挑戦したい!!という方だけではなく

読書に携わる全ての人におススメしたい著作です☆