犯人指定形式が実はすでに使われているもの。
★★★☆☆
この作品はまだミステリー暦が
少ない人にはお勧めできる作品です。
だけれども、ある程度読みなれた人には
残念ながら、犯人がわかってしまうことでしょう。
事件そのものは
偽装殺人です。
せいぜいその程度です。
後はあまり目新しいものはありません。
驚くのは
読みなれない人に任せたほうがよいでしょう。
読みなれている人は犯人を指摘されようが
別に…と思ってしまうことでしょうから。
これはお勧め
★★★★★
美貌で金持ちのローズマリーが、誕生パーティーの席上で毒入りのシャンパンを飲んで死んだ。自殺として処理されたが、妹アイリスの誕生パーティーの席上で、今度はローズマリーの夫ジョージが同じように毒入りのシャンパンを飲んで死ぬ。そして、そのグラスには誰も手を触れていない...という本書、実に見事な作品で、トリックは単純だが、これがなかなか見抜けない。犯人もまずわからないだろう。(私は、全然わからなかったし、疑いもしなかった。)
巻末解説で結城信孝が作者<黄金の12>作品を挙げ、その中で本書をベスト1に推しているのは決して大げさではないと思う。
ただし、結城の選ぶ<黄金の12>には、「シタフォードの秘密」や「ねじれた家」、「鏡は横にひび割れて」などの駄作が含まれているので、全部を真に受けない方がよい。
どうやら結城の視点は作者の「メロドラマ」にあり、ミステリー作品としての評価は二の次のようだ。
その点本書は、結城の記すように、ミステリーとメロドラマの結合作品として最上級と言える。
同じような話が多いような気もしてきた
★★★★★
アガサクリスティの小説を80冊くらい読んでくると、
この話、前読んだことがあるような気がしてくる。
登場人物の類似性、
設定の類似性
地方の類似性、
職業の類似性、
時代の類似性
など、シリーズものでないものの方が、強く既見感を感じることがある。
本作品の既見感は、なぜかは、全巻読んだら考えてみたいと思いました。
どちらかというと、恋愛色が濃いミステリー
★★★★☆
犯人は、それ程意外な感じはしませんでしたが、
動機に少し意外性があり、また、少し驚く
仕掛けが用意されていた気がしました。
やはり、トリックや犯人の意外性というより、
恋愛、人間ドラマに重点を置いている作品のようですね。
錯綜する人間模様を楽しめました。
感傷的な雰囲気漂う題名も、良いです。
後半がイマイチ
★★★☆☆
登場人物それぞれの回想による前半は、惹き込まれる。
しかし、後半からだれる。
犯人と動機の描き方も不充分。
短編「黄色いアイリス」が原形であるが、結末等は変えてある。