甘ったるい
★★★☆☆
ロマンス系スパイもの。
最初の一目ぼれからしたって
甘ったるいことこの上なし。
しかもこれは後々までこんな感じですから。
推理要素は一切なしといっても
過言ではありません。
それに犯人の一人はすでに凶行に及んで、
読者にこいつですよ〜と知らせていますし。
ただ、キー人物の「アンナ・シェーレ」だけは
推測が困難なはずです。
まさか、という方向からひゅっと
出てきますからね。
ラストのある女のセリフは
本当、女の怖さを思い知らせるものがあります。
かっこいい青年には気をつけないと。
こんな女がついたら…
ロマンスが好きな人には
面白いことでしょう。
アガサクリスティの楽しみ方
★★★★★
アガサクリスティの楽しみ方は
1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。
2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的。
3 犯人探し
4 女性のものの見方と男性のものの見方の違い
5 考古学、遺跡発掘作業など。
6 音楽、オペラなどの芸術活動。
7 作家、小説、詩、マザーグースなど。
3以外は、アガサクリスティの経験に基づく内容なので、とても勉強になります。
本書は、1,2,4,5,7の視点が得られるのでたいへん楽しめる。
アガサクリスティ展が2010/3/17から
★★★★★
アガサクリスティ展が2010/3/17から始まるとのこと。
それまでに、文庫は全部読み終わろうと思いましたが、まだ終わりそうにありません。
アガサクリスティの楽しみ方は
1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。
2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的。
3 犯人探し
4 女性のものの見方と男性のものの見方の違い
5 考古学、遺跡発掘作業など。
6 音楽、オペラなどの芸術活動。
7 作家、小説、詩、マザーグースなど。
3以外は、アガサクリスティの経験に基づく内容なので、とても勉強になります。
本書は、1,2,4,5,7の視点が得られるのでたいへん楽しめる。
アガサの長編作は、レビューの評価を気にせずに、楽しみたい
★★★★☆
アマゾンで検索してみると、2003年10月から2004年11月にかけて刊行された「クリスティー文庫」の長編全73作(ノン・ミステリを含む)のうちで、カスタマーレビューの付いていない作品が、どういうわけか、一つだけある。この「バグダッドの秘密」である。レビューが付いていない、あるいは、低評価という理由で、もし、アガサの長編作の幾つかに、手を出すのを躊躇している人がいるのだとしたら、残念なことだと思う。
他の作家の名作とされている長編ミステリの中には、謎解き以外には見るべきものがなく、終盤まで、退屈極まりないものも少なくないのだが、謎解きだけにとどまらない類い稀なストーリー・テラー振りを誇るアガサの長編作なら、私は、最晩年の「フランクフルトへの乗客」と「運命の裏木戸」以外は、全て「買い」でもいいと思っているくらいなのである。
さて、この「バグダッドの秘密」は、アガサが、第二次世界大戦前後を通じて、夫の遺跡発掘調査に同行して訪れていたという、勝手知ったるイラクのバグダッドを舞台とした冒険ミステリである。
時は、第二次世界大戦直後の一触即発の東西冷戦時代。バグダッドでは、世界の命運を決する米ソ首脳会談が開かれようとしている。イギリスの秘密諜報員とその生命を狙う第三勢力、いわくありげな世界旅行家、アメリカの銀行頭取の謎の秘書、ロンドンに住むハンサムな青年とその青年にひとめぼれした娘。誰も彼もがバグダッドを目指し、不可解な出来事が続発する…。
この作品の設定と終盤のプロットには、たしかに、誰もが思う強引過ぎるところがあるのも事実だ。しかし、自らが体験した遺跡発掘現場の情景を見事に事件の結末に融合させてみせ、舞台をイラクとしたことを読者に納得させながら、本格派ミステリ並の収束をしてみせるアガサの鮮やかな手並みを見せ付けられると、そんなことは、さして気にもならなくなってしまうのだ。
訳文が古いと思う
★★★☆☆
この物語の訳者は中村妙子さんです。そしてこの本が最初に発行されたのは1979年です。アガサ・クリスティーにおいて田村隆一さんが訳されている本では感じたことのない違和感があります。たとえば、「ヴィクトリアには、・・・長所と欠点があります。」と訳されているのですが、こういう場合は「ヴィクトリアには、・・・長所と短所があります。」と訳されているほうが私たち読者は滑らかに読み進むことができると思うのです。他にも表現に時代の古さを感じるところが多々あります。ストーリーとしては有名なポアロものでもマープルものでもないところが、新鮮で面白いと思うのですが、もともと海外の物語を訳本で読むことに抵抗を感じている人には、この文章は少し読みづらいかもしれませんね。